ホロコースト生存者の91歳の女性、マリウポリの地下で死亡
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ホロコーストを生き延びた91才のヴァンダ・オビェドコヴァ氏が、4月4日にマリウポリにて、ロシアの砲撃・空爆から逃れるために地下シェルター滞在時に亡くなっていたことがわかった。
19日、ユダヤ人コミュニティサイト「チャバド」がヴァンダさんの娘のラリサさんの話を紹介した。
ラリサさんの話によれば、ヴァンダ・オビェドコヴァさんは、1930年12月8日マリウポリ生まれ。1941年10月、10歳の時、ナチス・ドイツ軍がマリウポリにやってきて、ユダヤ人を連れ去り始めた。親衛隊(SS)隊員が家にやってきて、オビェドコヴァさんの母、マリア・ミンデルさんを連れ去った時、オビェドコヴァさんは地下に隠れており、見つからなかったという。
ラリサさんは、「彼女(オビェドコヴァさん)は、叫ぶことができなかった。それで彼女は助かったんです」と語った。
オビェドコヴァさんは、1954年に結婚し、生涯をマリウポリで暮らした。近年は、ラリサさんと暮らしていたという。
今年の3月初めにロシア軍の砲撃と空爆が始まると、家族は近くの店の地下へ移った。オビェドコヴァさんは、そこで4月4日に亡くなったのだという。
ラリサさんは、「そのような死は母に値するものではなかった」と述べた。また、「母はマリウポリを愛していた。彼女は、決して(マリウポリを)離れたがらなかった」とも伝えた。