被占領下ヘルソンの約45%の住民がすでに同市から脱出=州軍行政府長官
ロシア連邦による領域の大半の占領が続くウクライナ南部ヘルソン州のラフタ州軍行政府長官は、州の約5分の1の住民が同州をすでに離れたと伝えた。
ラプタ州軍行政府長官がウクルインフォルムへのインタビュー(リンク先はウクライナ語)時に発言した。
ラプタ氏は、「暫定試算では、3月からヘルソン市からだけでも住民の約45%が脱出しており、州全体からは5人に1人が脱出している。災害的な数字だ」と発言した。
同氏はまた、ロシア占領者たちが作り出している非人間的な状況の中で生活するのは非常に困難かつ危険だとし、ロシア占領者たちは略奪、殺人、強姦を続けており、民間人は耐え切れず、非常に恐怖を覚えて、仕方なく自らの家を離れざるを得なくなっていると発言した。
さらに同氏は、ロシア占領者は脱出用の公式な回廊の設置を認めないため、人々は、リスクのある中、住民同士で車列を作って州を離れていると伝えた。避難経路は最初はオレクサンドリウカとスニフリウカを通る経路だったが、ロシア側がその経路を封鎖すると、人々は今度はダヴィジウ・ブリドを通じてクリヴィー・リフ(ドニプロペトロウシク州)へ抜ける経路を使い始めたのだが、これもロシアが封鎖したという。ラプハ氏は、村の人々の中には徒歩や自転車を使ったり、川を船で渡って避難する者もいるとし、人々は自らの資産や家畜を残したまま避難していると指摘した。
また、ヘルソン州から避難する人たちの大半は、ミコライウ州やドニプロペトロウシク州方面へ避難していると指摘した。
なお、ウクライナ南部ヘルソン州は、2月24日のロシア軍による対ウクライナ全面侵略の初期段階でその大半が制圧され、現在までロシアにより被占領下にある。同州では、ロシアは、住民のための人道回廊設置を認めていない。また、ロシア占領者は、同州で、記者、自治体の首長、地方議員、活動家、過去に東部の戦闘に参加したことのある者などの拉致を続けている。物不足が侵攻しており、経済の停滞が見られている。またロシア軍が、ヘルソン市民や医療関係者による人道支援の拠点を占拠した事例も報告されている。