ロシア軍、ウクライナ南部2州をミサイル攻撃=各地情勢
ウクライナへの全面的侵略を続けるロシア軍は、17日未明にウクライナ南部オデーサ州とミコライウ州をミサイルで攻撃した。
オデーサ州へのミサイル攻撃については、ウクライナ軍南部司令部「ピウデン(南)」広報室がフェイスブック・アカウントで報告した。
発表には、「未明、オデーサ州にて、爆撃機Tu-22M3のミサイルKh-22発射による攻撃が行われた。2弾のミサイル着弾により、海岸の休暇施設と近隣の複数の民間家屋の破壊と火災が生じた。民間人4名が負傷。治療が解かされている。重傷者なし」と書かれている。
また、ティモシェンコ宇大統領府副長官は、夜間、オデーサ州ビルホロド=ドニストロウシキー地区ザトカへのミサイル攻撃にて、休暇施設の7軒の建物と別荘型建物15軒が破壊されたと報告した。
南部ミコライウ州では、シェンケヴィチ・ミコライウ市長がテレグラム・チャンネルにて、同日未明のロシア軍が放ったミサイルが黒海国立大学に着弾したと報告した。
シェンケヴィチ氏は、「露シスト(編集注:ロシア+ファシストの造語)は、ミコライウにてもう1つの大学を攻撃した」と伝えた。
シェンケヴィチ氏は、数日前に動画にて、同大学の敷地に軍事基地など全くないことを示したところだったと指摘し、「しかし今日未明、ここへ2発のロシアのミサイルが飛んできたのだ。彼らは本当のテロリストである。彼らは、自らのプロパガンダで誤魔化しながら、私たちの教育機関の冷笑的な破壊を続けている」と強調した。
なお同氏は、着弾時には大学には警備員1名しかおらず、同人物は負傷していないと伝えた。
南部ドニプロペトロウシク州では、レズニチェンコ州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて、17日未明にニコポリ地区とクリヴィー・リフ地区に対してロシア軍の多連装ロケットシステムと榴弾砲による攻撃が行われたと報告した。
レズニチェンコ氏は、ニコポリ地区は夜間3回攻撃を受けたとし、またニコポリへの砲撃は全て榴弾砲で行われ、民間家屋6軒と自動車と送ガス管が損傷したと説明した。
チェルヴォノフリホリウカ共同体では、ロシア軍が「グラート」により40弾の砲撃を行い、地元企業と電線が損傷したという。
また、最近修繕されたばかりのニコポリ幹線への着弾もあり、道路に穴が空いたと報告された。
クリヴィー・リフ地区は、敵は「ウラガン」で砲撃を行なったという。また、シローケ共同体への砲撃も確認。いずれも犠牲者は確認されていないとのこと。
ニコポリの被害の様子 写真:国家警察
その他、17日8時時点の各地軍行政府の情報をもとにした報告書の概要以下のとおり。
ハルキウ州(東部):ハルキウのサルチウシキー地区へ敵は多連装ロケットシステムで砲撃。集合住宅、重要輸送インフラが損傷。開けた場所にも着弾あり。犠牲者なし。州内では、ハルキウ地区、イジューム地区、チュフイウ地区、ボホドゥヒウ地区にて敵の攻撃あり。今朝、露ベルゴロドからのミサイル発射が5発確認された。住宅が損傷、火災数件発生。イジューム地区では、重要インフラが損傷。犠牲者なし。
ルハンシク州(東部):夜間敵は榴弾砲6発、迫撃砲4発での砲撃と、ミサイル攻撃を実施。ウクライナ軍配置地点を戦車で攻撃しようとし、また航空機も2回使用。7方面からの襲撃があったが撃退した。
ドネツィク州(東部):夜間、ロシア軍は、クラホヴェへミサイルで攻撃実施。犠牲者なし。また夜間、クラヒウカへのミサイル攻撃あり。民間家屋への直撃あり。救助作戦が継続中。朝からロシア軍はドルジュキウカを攻撃。民間家屋が約10軒損傷。前日、敵はアウジーウカ、バフムート、ザイツェヴェ、カルリウカ、ビルバシウカを砲撃。過去24時間、ドネツィク州では、民間人が2名死亡、7名負傷。
ミコライウ州(南部):昨晩、敵はミコライウ市の港湾インフラを多連装ロケットシステム「スメルチ」で砲撃。本日未明、ロシア軍は、S-300でミコライウを再び攻撃。黒海国立大学や企業など民間施設への着弾あり。犠牲者なし。
ヘルソン州(南部):州の状況は恒常的に困難。空襲警報、大きな爆発と砲撃音、侵略軍による住民の検査、略奪、拉致が横行。10人はヘルソン州上空を飛ぶ迫撃機について報告している。ロシア軍は、過去24時間、6つの自治体を砲撃した。住民に負傷者あり。ロシア人は、ヘルソン州住民への圧力を著しく強めている。特に、身分証明書、電話、輸送手段の検査事例が増えている。
その他の地域は相対的に平穏だった。