イジューム集団埋葬地の遺体検死初日 ゼレンシキー宇大統領「ロシアは死と苦しみしか残さない」
ウクライナのゼレンシキー大統領は16日、ロシアの占領から解放された東部ハルキウ州イジュームの集団埋葬地の写真を公開した。
ゼレンシキー氏がテレグラム・チャンネルにてイジュームで見つかった集団墓地において同日始まった検死現場の写真を公開した。
ゼレンシキー氏は、「これは全世界が見るべきだ。残虐さとテロのあってはならない世界が見るべきだ。しかし、その全てが存在する。そして、その名前は『ロシア』だ。イジュームの集団埋葬地では、400以上の遺体が見つかった。拷問の跡がある。ミサイル攻撃で死んだ者、子供、ウクライナ軍人の遺体もある」と伝えた。
同氏はまた、「ロシアは死と苦しみしか残さない。殺人者、拷問者、全ての人間らしい物を失った者たち。あなた方は逃げられなどしない。隠れられなどしない。報いは公正なまでに恐ろしいものとなる。一人一人のウクライナ人への報い、一人一人の拷問された者の魂への報いとなる」と強調した。
また、ウクライナ一時的被占領地再統合省は、イジュームの集団埋葬地にて16日検死が始まったことを報告した。
発表には、「ハルキウ州イジュームにて、遺体捜索作戦の一環で、行方不明者問題全権を務めるオレフ・コテンコ氏を筆頭に、集団埋葬地での遺体の検死が始まった」と書かれている。
コテンコ氏は、この埋葬場所は、オープンソースにてロシア人たちがアップロードしていた動画から位置を割り出したと指摘した。また、その場所の地雷設置の可能性が大きかったことから、検死開始前に爆発物除去の作業が先行して行われたと説明された。
コテンコ氏はまた、「現在、私たちは、軍人の遺体の検死を行っている。その後遺体はさらなる特定のために専門家に渡される。残念ながら、これは私たちの作業のはじまりに過ぎない。脱占領地であとどれぐらいこのような場所が見つかるかはまだわからない。しかし、厳しい現実が示していることは、イジュームの遺体の数はブチャの悲劇の数倍になり得るということだ」と発言した。
国家警察は同日、テレグラム・チャンネルにて、イジューム同地点での検死初日となった同日、民間人22名とウクライナ軍人17名の遺体を集合埋葬地から掘り出したと伝えた上で、同日の検死の様子を示す動画を公開した。
これに先立ち、ゼレンシキー大統領は15日、ロシアの占領から解放された東部ハルキウ州イジュームにて、住民の大規模埋葬地が見つかったと報告していた。