ロシアの対ウクライナ・インフラ攻撃戦略の有効性低下=英国防省
英国防省は1日、ロシアは戦術的目標物の攻撃に適したミサイルの大半を消費したため、ウクライナの重要インフラへの攻撃戦略の有効性は低下しているようだとの評価を発表した。
英国防省が軍インテリジェンスの報告をツイッター・アカウントに掲載した。
発表には、ロシアが今年10月以降にウクライナの配電網に対して、巡航ミサイルなどで攻撃を繰り返していると書かれている。同省は、それはおそらく、ロシアが近年採択した軍事ドクトリンの重要要素である「重要目標破壊戦略的作戦(SODCIT)」のコンセプトを実現しようとする最初の事例のようだと指摘している。
ロシアが想定していたSODCITにつき、同省は、長距離ミサイルで敵国の、軍ではなく、重要インフラを攻撃し、それにより相手国国民の士気を下げ、結果として相手国の指導者を降伏に追い込むというものだという。
同省は、ロシアの攻撃によりウクライナで電力不足を引き起こし、ウクライナ全土で無差別かつ広範囲の人道的苦痛をもたらしていると指摘した。
同時に、「しかしながら、ロシアはすでに戦術的目標攻撃に適したミサイルの大部分を消費してしまったため、その(作戦の)戦略としての有効性は薄れてしまったと思われる。加えて、ウクライナが9か月間動員に成功したおかげで、SODCITの物的・心理的影響は、それが戦争の初期に導入された場合よりも小さいと思われる」と書かれている。