ロシア軍人、ザポリッジャ原発の従業員3名を拉致

ウクライナの電力会社「エネルホアトム」は、12月8日にザポリッジャ原子力発電所を占領するロシア軍人が同原発の職員3名を拉致したと発表した。

9日、エネルホアトム社がテレグラム・チャンネルで報告した

発表には、「昨日、12月8日、ロシア軍人がザポリッジャ原発の社会計画局のある場所に侵入し、その他職員のいる前でオレクシー・トルベンコウ局長とユーリー・アンドロソウ副局長に激しく暴行を加えた。激しい暴行の後、侵略者たちは彼らを施設から連れ出し、不明な方向へと連行していった」と書かれている。

そして、ロシア軍人はさらに、ザポリッジャ原発の核・放射線安全を担当するコスチャンティン・ベイネル氏を拘束し、地下室に閉じ込めたという。エネルホアトム社は、ロシア軍人のそのような行為で原発職員に対して忠誠と、ロシア企業「ロスアトム」が管理する偽の団体「ザポリッジャ原発運営組織」への職員の移動を要求しているのであり、プーチン露大統領に対して、ロシアのファシズム的テロ行為への支持に関する報告を求めているのだと指摘した。

その上で同社は、グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長と国際社会に対して、ロシアの拘束からザポリッジャ原発職員を解放するためにあらゆる努力と方策を行うように呼びかけた。

なお、ウクライナ南部に位置するザポリッジャ原子力発電所は、ウクライナに侵攻したロシア軍が3月4日から占拠している。ロシア軍は、同原発敷地内に軍事機材や弾薬を持ち込み、また敷地から隣接地域への砲撃を行っている。さらには、ロシア軍は、同原発敷地自体に対しても砲撃を行い、電線を切断し、原発の外部電源の喪失を引き起こしながら、あたかもウクライナ軍がその攻撃を行なったかのように非難している。

G7など、国際社会は、ロシアに対して、ザポリッジャ原発を正当な主権を有する所有者であるウクライナに直ちに戻すことを要求している