ロシア軍のバフムート地区の進軍が鈍化=戦争研究所

米戦争研究所(ISW)は、ウクライナ東部において、過去数日のロシア軍のバフムート周辺における進軍速度が鈍化していると指摘した。同時に、ロシア軍の攻勢が限界に達したかどうかを判断するには時期尚早だとしている。

ISWが24日の報告書にて伝えた

ISWは、ウクライナ軍がバフムート近郊・近隣自治体でロシア側の攻勢速度を鈍化させることに成功しており、いくつかの部隊を数日前の陣地まで追い返すことができたとする、ロシアの軍事ブロガーたちによる報告に注意を向けている。

またウクライナのソーシャルメディア上にて、ウクライナ軍が12月21日頃にバフムートの東部近郊からロシア兵を完全に追い出したことが確認されているという。

ISWは、ロシア軍がバフムート周辺で11月と12月を合わせても、10月より進めていないと指摘した。

その上でISWの専門家たちは、ロシア軍が弾薬の不足や人員の著しい損耗により、今後バフムート周辺の進攻作戦の速度を維持するのは難しくなり、彼らは戦術的・作戦的休止を主導しようとするかもしれないと予測している。

その際、専門家たちは、春の間続き、7月初旬にロシア側の制圧により終結した、ロシア軍によるシェヴェロドネツィクとリシチャンシクを制圧しようとした際の状況を喚起しつつ、その際、ロシア側は、甚大な損耗と疲弊により、その近隣のシヴェルシクやスロヴヤンシクの制圧はできなかったと指摘した。

ISWは、ロシア軍は、シェヴェロドネツィク・リシチャンシク制圧という戦術的目的の達成のための極めて過酷な作戦の実施に固執したために、ウクライナ軍をE40幹線沿いで大きく包囲し、その後ドネツィク州西側の行政境界線まで進むというさらに大きな作戦目標を達成する能力を著しく損なった。ロシア側のバフムートへの執拗なコストの高い進軍は、彼らのドンバスにおける長期目標達成の能力を低下させる可能性がある」と指摘している。