ゼレンシキー宇大統領、岸田日本首相と電話会談 支援に謝意 「平和の公式」実現への日本の参加を要請
ウクライナのゼレンシキー大統領は6日、日本の岸田首相と電話会談を行い、G7議長国の開始を歓迎し、これまでの日本の支援に感謝した他、自身が提案している10項目からなる「平和の公式」への実現へと日本が加わるよう招待した。
ゼレンシキー大統領がツイッター・アカウントにて伝えた。
ゼレンシキー氏は、「岸田日本首相に、日本がG7議長国を始めたことにつき歓迎した。私は、何十万人のウクライナ人が暖房と電気の中にいられることを支援する強力な発電機・変圧器につき、彼の国に謝意を伝えた」と書き込んだ。
また同氏は、自身の提案している10項目からなる「平和の公式」の実現に日本を招待した。
その他、日本の首相官邸広報室も同電話会談後の岸田首相の記者会見時の発言を公表した。
岸田首相は、「私の方から、まずG7の議長国としての積極的な役割を果たしていくことを申し上げた上で、ロシアが攻撃を継続していることについて強く非難をし、ウクライナの方々の命を守るために越冬支援を始めとする支援を全力で進めていく」と述べたと伝えた。
また、岸田氏は、その際ゼレンシキー大統領からは、日本の立場とこれまでの支援に深い謝意が表明され、戦況に関する説明があったと述べた。
そして、同氏はまた、「G7議長国としてウクライナとの連携を強化したい旨、さらにはゼレンスキー大統領と更に協力を進めていく」と述べ、その点でゼレンシキー氏と一致したと報告した。
さらに同氏は、ゼレンシキー氏から自身に対してウクライナ訪問の招待があったと述べた上で、現時点では、自身の訪問について何ら決まっていないが、諸般の状況も踏まえ検討していきたいと思っていると発言した。
これに先立ち、4日、ウクライナのイェルマーク大統領府長官は、松田駐ウクライナ日本大使と会談し、ウクライナはG7がゼレンシキー宇大統領の提案した10項目の「平和の公式」を支持することを期待していると伝えていた。
なお、ゼレンシキー宇大統領は2022年11月15日、G20首脳へ向けたビデオ演説を行った際に、ロシアによる対ウクライナ戦争の終結に向けた10項目からなる「平和の公式」を提案していた。
その際、ゼレンシキー大統領が平和実現のために履行が必要だと指摘した10の項目は以下のとおり。
1.放射線・核の安全
2.食糧安全保障
3.エネルギー安全保障
4.全ての被拘束者と追放された人々の解放
5.国連憲章の履行とウクライナの領土一体性と世界の秩序の回復
6.ロシア軍の撤退と戦闘の停止
7.正義の回復
8.環境破壊行為対策
9.エスカレーションの防止
10.戦争終結の確認
さらに、12月18日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナが提案している「グローバル平和の公式サミット」を今年の冬の開催を主導すると発表している。