ウクライナ東部にてロシアが近々バフムート市を包囲することはまずない=英国防省

英国防省は10日、ウクライナ東部バフムート市周辺の情勢が困難であるとしつつ、ロシアが同市を近々包囲することはまずないだろうとの見方を示した。

英国防省が情報機関の評価をツイッター・アカウントに掲載した

英国防省は、過去4日間、ロシア軍と傭兵集団ワグナー(ヴァグネル)は、ウクライナ東部ドンバス地方の小規模な町ソレダール内に戦術的に進軍しており、おそらく同市の半分以上の領域を制圧していると指摘した。

また、ソレダールはバフムートから10キロ北に位置し、ソレダールを制圧することがおそらくロシア側の直近の作戦上の主目的であり続けており、それはバフムートを北から攻め込み、ウクライナの連絡ラインを分断することを目的にしているのだろうと指摘されている。

戦闘の一部は、ソレダール地下の塩鉱山における200キロメートルのトンネル状の空間の入り口を巡って行われているとし、双方とも、そのトンネル空間が後方攻撃に利用されるおそれを懸念している可能性があると書かれている。

同時に、英国防省は、「バフムートへの圧力増加はあるものの、ウクライナ勢力は深い防衛ラインを維持しており、補給線も支配していることから、ロシアが同市をすぐに包囲することはまずないだろう」との評価を示した。

これに先立ち、ゼレンシキー宇大統領は8日、前線の状況は引き続き困難であり、中でもバフムートとソレダールが最も厳しいと指摘していた。同時に同氏は、ウクライナ軍は、それら地点の防衛を強化するために追加で部隊を投入したとも発言していた。

写真:参謀本部