ウクライナ軍がクリミアに進軍してもロシアは核兵器を使わない=宇軍情報機関トップ

ウクライナ国防省傘下情報総局のブダーノウ局長は、ウクライナはロシアからクリミア半島を最後に奪還し、それが戦争の最終幕となると指摘した。さらに同氏は、ウクライナ軍がクリミアに進軍したことに対して、ロシアが核兵器を使うことはないとの確信を示した。

ブダーノウ局長がRBCウクライナ通信へのインタビュー時に発言した

ブダーノウ氏は、「クリミアは最後に奪還される。それが最終幕だ。もしクリミアが最初に奪還されて、ドンバスがまだ奪還されていないなら、最終幕ではないが。この戦争を終わらせることは、1つの手段だけによってのみである。それは、どのような形でも良いので、私たちの1991年時点の国境を取り戻すことである。領土問題の解決なくしてこの戦争を終わらせることはもはや不可能であり非現実的である」との見方を示した。

そして同氏は、ウクライナは領土の一部を明け渡すようなことは決してしないと指摘した。

また同氏は、ウクライナにとって今年1991年国境に到達することは全くもって達成可能な課題だと強調した。

さらに同氏は、ウクライナ軍がクリミアに進軍してもロシアからの核兵器による攻撃はないと指摘した。その際、記者が、ウクライナ軍のクリミア進軍の場合に、ロシア、特に軍事・政治首脳陣の間に起こり得る反応はどのようなものかと尋ねると、ブダーノウ氏は、それは彼らにとって痛みはあるが耐えられるものとなると発言した。

その際同氏は、ロシアのプロパガンダメディアが一度制圧したウクライナ南部のヘルソン市をウクライナ戦力に奪い返された際の情報発信に触れつつ、「彼らはヘルソンの喪失を流したのだ。ヘルソンは、いわゆる『特別軍事作戦』なるものの最大の戦果であったものだが、それをまるで単なる日常的な出来事かのように伝えたのだ。しかもその際、そのことを、実は彼らにとって良いことであるかのように、ひっくり返して伝えたのだ。つまり、彼らは全てのことをもう解決済みなのだ。クリミアで出来事が生じた際にニュースをどう流すかに関するモデルは、もう全てある。そして、それは私たちのよく知っている」と指摘した。

また同氏は、ロシアは、クリミアにもついても、ヘルソン喪失時と同様に、それを「余儀なく行った方策」とか「ほぼ幸せなこと」のように伝えるであろうと補足した。

写真:情報総局