シルシキー宇陸軍司令官、バフムート維持の5つの理由に言及

ウクライナのシルシキー陸軍司令官は、ロシア侵略戦力にとってのみでなく、ウクライナ防衛戦力にとっての重要な意味があるとし、同市の維持によって敵が戦線を拡大するのを防いでいると発言した。

シルシキー陸軍司令官がインターファクス通信へのインタビュー時に発言した

シルシキー氏は、「バフムートを巡る戦いは敵のみでなく、私たちにとっても重要な意味がある。なぜなら、この方面で私たちは過去数か月敵の進軍を抑え、戦線の拡大を防いでいるからだ。それ以外に、私たちは敵に多大な損耗を強いている。彼らの最も専門性のある部隊、装備、軍用品を破壊している」と指摘した。

同氏または、バフムートを引き続き維持することのウクライナ側にとっての重要性を以下の5つの理由で説明した。

1:同市は重要な防衛の結節点であり、同市を維持することが防衛全体の強靭性を確保する。

2:バフムートは川に囲まれ、小山に位置し、それにより防衛がしやすくなっているという優れた自然の要塞。

3:ウクライナが防衛戦を展開するバフムトカ川左岸では集合住宅や発展したインフラの存在が市の防衛を容易にしている。

4:同市を巡る戦いは特別な能力を要する特別な戦闘形態であり、それが森林・平原部で進軍を行う部隊に困難をもたらしている。

5:バフムートは、コスチャンティニウカ〜クラマトルシク集合体の一部を形成しており、それを維持することで、敵がリシチャンシク方面とドネツィク方面のウクライナ軍部隊の側面や背面に到達することを妨げている。

同時に同氏は、敵にとってバフムートは、全ての戦線の中でも特に戦力を集中させている進軍対象であり続けていると指摘し、なぜならロシアにとってウクライナ東部は「全面侵攻」開始以降何らかの進展を達成できている唯一の方面だからだと補足した。

同氏は、「『3日間でウクライナを制圧する』計画は、小さな町の周辺での9か月間の試行錯誤に変貌した。ウクライナ北部・南部でのいくつかの失敗の後、ロシア幹部はドンバス占領にて何らかの極小のものでもいいから戦果を示す必要が生じている。占領者たちは、そこを奪わねば、クラマトルシク方面やシヴェルシク方面で進軍することができない。だから、ロシアのプロパガンダがバフムートを巡る戦いを『第2のスタリーングラードの戦い』などと表現しているのだ」と指摘し、さらにロシアは目的達成のためには、人的・物的資源を惜しまないだろうと補足した。

写真:ウクライナ陸軍