ゼレンシキー宇大統領、5月8日を「第二次世界大戦の追悼と対ナチズム勝利の日」と制定することを提案

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ウクライナのゼレンシキー大統領は、5月8日を「1939〜1945年の第二次世界大戦の追悼と対ナチズム勝利の日(the Day of Remembrance and Victory over Nazism in the Second World War of 1939-1945)」と制定する法案を最高会議(国会)に提出すると発表した。

ゼレンシキー大統領が5月8日の第二次世界大戦終戦日を記念する演説動画にて伝えた

ゼレンシキー氏は、「今日、私は、ウクライナ最高会議に、5月8日を『1939〜1945年の第二次世界大戦の追悼と対ナチズム勝利の日』と制定することを提案する法案を提出する」と発言した。

同氏はまた、5月8日にこそ、世界の大半の人々が対ナチズム勝利の偉業を思い出し、世界は命を守った人、解放された領土からナチスの旗を放棄した人、強制収容所の門を開けた人、そして人々に自由を取り戻した人、ナチスの悪を滅ぼし、裁いた人に頭を下げているのだと強調した。

さらに同氏は、「1945年5月8日、ドイツ軍の無条件降伏文書が発効した。まさに5月8日にこそ、世界は、その戦争で奪われた命の記憶を追悼するのだ。それがイデオロギー上の不純物のない純粋な歴史である。そして、それは、私たちの民、私たちの同盟者、全ての自由世界の歴史である。今日、私は、その歴史を私たちの国に取り戻す」と強調した。

同氏は、ウクライナは、ナチズムに対する勝利へのウクライナの人々の貢献を決して忘れることはないし、その勝利におけるウクライナの人々の役割を消し去ることも絶対に認めないとも発言した。

そして同氏は、「私たちは、反ヒトラー連合の人々による共通の勝利を独占することも許さないし、勝利があたかも他国や他者抜きで生じたかのように嘘をつくことも認めない」とも発言した。

加えて、同氏は、これまで対独戦勝記念日とされていた5月9日については、「欧州の日」として祝っていくと発言した。

同氏は、「ウクライナは現在、80年前と同じく、完全な悪と戦っている。ウクライナは現在、80年前と同じく、未来のため、自分と全欧州の未来のため、全ての自由世界の未来のために戦っている。私たちは現在、80年前と同じく、自由な人々の共通の力を頼りにしており、彼らと一緒にずっと、悪に屈することのない自由な欧州の一部となることを知っている。ウクライナでは、自由な欧州と一緒に、5月9日を欧州の日として祝っていく。統一した欧州の日、そこでは、平和がなくてはならず、平和は訪れる。私たちの欧州の平和だ。ウクライナは常にその一部であったし、あるし、これからもそうあり続ける」と述べた。

さらに同氏は、同日、関連の大統領令に署名したとし、これからは毎年5月9日は、歴史的な団結、ナチズムを滅ぼし、露シズム(編集注:ロシア+ファシズムの造語)に勝利する、全ての欧州人の団結を称えていくことになると発言した。

なお、ウクライナでは、これまでは5月8日は第二次世界大戦の終戦と犠牲者追悼を行う日、5月9日は対ナチスドイツ戦勝記念日として定めていた。