ロシア領に進軍したロシア人部隊、記者会見開催 作戦の死者は2名と主張

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ロシア領ベルゴロド州へ進軍した後にウクライナ領へ帰還した「ロシア自由軍団」と「ロシア志願兵軍団」が24日、記者会見を開催した。

両部隊は、ロシア領には42キロ進んだと主張した。ウクライナ北部のロシアとの国境付近で記者会見が行われた。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

「ロシア志願兵軍団」の指揮官デニス・カプスチン(ホワイトレックス)氏は、同部隊はベルゴロド州のいくつかの自治体を1日間支配したとし、本作戦の活発な局面は今も別の形で続いていると発言した。

同氏は、「私たちがロシア連邦の国境を超える度に、(ロシアの)軍事政治首脳陣はそのようなことへの準備ができていないことを目にしている。彼らは、ライン(国境)を固めたとか、何百万を費やしたとか、竜の牙、検問所、何らかの監視所(を設置した)とか述べている。実際に確認してみたら、全てが瓦解する。私たちが強く進めば進むほど、彼らは決定に必要な時間が増えていくのだ」と発言した。

同時に同氏は、今のところ一定のロシア領を完全に支配し続けるためのリソースを同部隊は有していないと述べた。また同士は、今回は装甲車と武器という鹵獲品があるとし、またロシア領内の機材を複数破壊することができたとも述べた。

写真:ヴヤチェスラウ・マジイェウシキー/ウクルインフォルム

同氏は、ロシア国境を越える度に、毎回成功していると発言し、「なぜなら、それは敵の領土、一時的に占領された私たちの故郷だからだ。私たちは、暴君政権は無限ではないこと、彼らとは対峙できるということを示したい」と発言した。

ソーシャルメディアで拡散されている、ロシア人利用し、ロシア側に破壊されたとされる米国の機材の写真については、指揮官は、ロシアのプロパガンダだと主張した。

同氏は、「プーチンはかつて、どのような軍事機材も軍用品店で購入可能だと述べていた。さらには、ロシア側が戦闘で、例えば、バフムート近郊で獲得できた米国機材もある」と発言した。

その他、同氏は、記者会見では、ベルゴロド州の戦闘で「ロシア志願兵軍団」から死者は出ておらず、負傷者が2名出ただけだと主張した。

これに対して、「ロシア自由軍団」は、テレグラム・チャンネルにて、自分たちの部隊の犠牲者は死者2名、負傷者10名だと報告した。発表には、「作戦での総損耗数は、死者2名、負傷者10名だ。勝てないプロパガンディストたちの偽善な発言の代わりに、彼らは私たちに多大な損耗が出たことにしている」と書かれている

これに先立ち、22日、複数の報道機関が露ベルゴロド州で爆発音が聞かれたと伝え、その後、同地にロシアの志願兵が現れたと報じていた。

ロシアの報道機関によれば、ロシアのペスコフ露大統領報道官は、プーチン露大統領にはすでに「突破の試み」について報告が行われたという。ペスコフ氏は、ベルゴロド州での出来事につき「ウクライナの工作」だと呼び、その目的は「バフムート方面から注意を逸らすこと」だと指摘している。さらに同氏は、ロシア戦力は工作員を殲滅しようとしていると発言した。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、本件につきウクライナは情勢を観察し、分析しているが、事態に直接の関係は有していないと発言した。

米国務省のミラー報道官は、米国はウクライナに対して自国領の外での攻撃のための能力は提供しておらず、ウクライナ首脳陣にそれを行うよう奨励もしていないが、他方で、ウクライナは自らの作戦を自分で決められると発言した。

修正(25日9時45分):両部隊の損耗数を訂正