「ウクライナ領全ての解放は軍事的手段で可能かもしれないが、近い将来ではないだろう」=ミリー米統合参謀本部議長
米国のミリー統合参謀本部議長は25日、ウクライナの戦略的課題はロシアに占領されている自国領土全てを解放することで、それは軍事的手段で達成可能かもしれないが、他方でそれは近い将来ではないだろうと発言した。
ミリー統合参謀本部議長が25日に開催されたウクライナ防衛問題コンタクトグループ・オンライン会合(ラムシュタイン会合)後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ミリー氏は、ウクライナの戦略的課題はロシアに占領されている自国領全てを解放することだとし、ウクライナ領には現在数十万人のロシア軍人が駐留していると指摘した。
そして同氏は、「それは軍事的手段で達成可能かもしれないが、しかし、おそらく近い将来ではない」とし、それはつまり、戦争は続いていくし、それは「血まみれで困難なもの」となるという意味だと発言した。また同氏は、ある時点で敵対する双方が合意を模索し始めるかもしれないし、あるいは引き続き軍事的解決を選ぶかもしれないとし、その上で米国はウクライナの自由を巡る戦いを支持し続けていくと伝えた。
同時に同氏は、ロシアについては「軍事的観点ではロシアがこの戦争に勝つことはない。ロシアはゼレンシキー大統領政権の崩壊とウクライナの制圧という戦略的目的を達成できなかった」と強調した。
同氏は、1年前、ロシアは自らの戦略的目的を断念し、東部ドンバス地方のみの制圧に修正したと指摘した。そして、「つまり、ロシアが自ら定めた戦略的目的は、軍事的観点で達成されていないし、それが達成されることはない」との見方を述べた。