ウクライナ政権関係者、ロシアによるキーウへのミサイル・無人機攻撃の激化の理由を説明

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は29日、ロシア軍による首都キーウへのミサイル・無人機攻撃は心理的な影響を与えて、ウクライナの反転攻勢を妨害した上で、すでに制圧したウクライナ領をロシア側に残したままにするという条件を飲ませようとしているのだろうとの見方を示した。

ポドリャク氏がテレビ番組「統一ニュース」に出演した際に発言した。

ポドリャク氏は、「ロシア人にとって最近前線で展開している出来事に影響をもたらす手段は、他に何があるだろうか。彼らは世界に対して、他にどんな脅迫手段を提案できるだろうか。世界と私たちを脅す手段のことだ。言うまでもなく、彼らはそれ(編集注:大規模ミサイル・無人機攻撃)を続ける。私たちが最近述べたように、彼らは一定数のミサイルを製造しているが、彼らのミサイルの残弾はとにかく首都方面にのみ使うようである。それは何のためか? 状況に影響を及ぼすため、脅すため、心理的影響を行使するため、彼らにはまだリソース、能力があると証明するためなどだ。それは、結局のところ、『ご覧、そこにはまだ民間人がいる、私たちはあなた方を破滅させる、殺す。あるいは、いずれかのイニシアティブを受け入れよ』と言うためである。イニシアティブとは、彼ら自身も話している、アフリカ・イニシアティブ、中国イニシアティブ、バチカン・イニシアティブ、ブラジル・イニシアティブの4つのイニシアティブであり、彼ら(ロシア)はずっと繰り返すことでそれらを最大化しようとしている。なぜなら、それらの案の内容は『すぐに停戦して、ロシアを今いる場所に居座らせよう』というシンプルなものだからだ」と発言した。

同氏はまた、現時点ではロシアには『戦争に負けない』という具体的な目的があるとし、そのためにはロシアには、ウクライナの反転攻勢を生じさせないようにする必要があるのだと指摘した。

同時に同氏は、現在ウクライナ側には様々な「和平作り」イニシアティブに注意を向けることに意味はなく、ウクライナは防空と反転攻勢のための作業を続けると発言した。