ロシア軍、ウクライナを再び大規模ミサイル攻撃　インフラ施設損傷　キーウ州で負傷者２名

ウクライナへの全面侵略戦争を続けるロシア軍は、８日未明から朝にかけてウクライナ各地のインフラ施設をミサイルと自爆型無人機で攻撃した。

ゼレンシキー大統領がフェイスブック・アカウントで報告した。

ゼレンシキー氏は、「ミサイル５０弾以上、『シャヘド』２０機以上でリヴィウ州、ヴィンニツャ州、キーウ州、ポルタヴァ州、キロヴォフラード州、ザポリッジャ州、イヴァノ＝フランキウシク州のインフラが攻撃された。全ての必要な当局が現場で活動し、テロの被害を除去している」と伝えた。

また同氏は、「ナチ・プーチンの大規模ミサイル攻撃は第二次世界大戦の記憶と対ナチズム勝利の日に行われた」と述べ、「世界中が、誰がどのような人物なのかを明確に理解せねばならない。世界中には、ナチズムにさらなるチャンスを与える権利はない」と強調した。

中部キーウ州の被害については、国家非常事態庁が、テレグラム・チャンネルにて、「今日のロシアの攻撃により、敵のミサイルの破片が民家を１３軒破壊・破損し、２名が負傷した」と報告した。

西部リヴィウ州のコジツィキー州軍行政府長官は、フェイスブック・アカウントで、今朝の攻撃により同州の重要電力インフラ施設２点が攻撃されたと報告した。

コジツィキー氏は、朝５時頃、侵略者はチェルヴォノフラード地区の発電施設を巡航ミサイルで攻撃したとし、２か所で火災が発生し、消防士が現場で活動していると伝えた上で、近隣住民への脅威は生じていないと補足した。

また同氏は、州内のストリー地区の重要エネルギーインフラ施設がロシアのミサイル着弾によって損傷したと報告した。その際同氏は、「私たちの州で６時２７分に発令された２度目の空襲警報の際、占領軍はリヴィウ州を『キンジャル』で攻撃した。重要・生活インフラが破損した」と伝えた。

同時に同氏は、「現時点では、私たちの州は死傷者は出ていない」と伝えた。

南部ザポリッジャ州のフェドロウ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、ロシアの攻撃によりザポリッジャ市ではインフラ施設の破壊が確認されていると伝えた。

フェドロウ氏は、「ロシア軍は再び平和なザポリッジャを大規模に攻撃した。重要・民間インフラ施設が狙われた。破壊が生じている」と書き込んだ。同時に、暫定情報では犠牲者は出ていないとのこと。

ウクライナ軍参謀本部は、フェイスブック・アカウントで、今回の攻撃につき、自治体で負傷者が出ていると伝えた。

参謀本部は、「集合住宅、その他民間インフラ施設とエネルギーインフラ施設が破壊と破損を被った」と伝えた。

また、発表によれば、過去２４時間ロシア軍の空爆を受けた自治体は以下のとおり。東部ハルキウ州：ドヴォリチャンシケ、シンキウカ、東部ドネツィク州：ノヴィー、ドルージュバ、チャシウ・ヤル、オレクサンドロピリ、ノヴォオレクサンドリウカ、オチェレティネ、プロフレス、ヴォージャネ、ウロジャイネ、コスチャンティニウカ、パラスコヴィーウカ、南部ザポリッジャ州：コミシュヴァハ、南部ヘルソン州：チェルヴォニー・マヤク、イヴァニウカ、ドニプロウシケ。

また、砲撃を受けたのは、北部チェルニヒウ州、スーミ州、東部ハルキウ州、ルハンシク州、ドネツィク州、南部ザポリッジャ州、ドニプロペトロウシク州、ヘルソン州、ミコライウ州の計１２０以上の自治体だという。

ウクライナ空軍のオレシチューク司令官は、テレグラム・チャンネルで、同日未明から朝にかけて、ロシア軍は７６点のミサイル・無人機で攻撃を仕掛けてきたところ、ウクライナ防空戦力はその内５９点を撃墜したと報告した。

ロシア軍が発射したのは、以下の７６点（ミサイル５５弾、自爆型無人機２１機）

・空中発射型弾道ミサイル「Ｋｈ４７Ｍ２キンジャル」１弾（タンボフ州から発射）

・弾道ミサイル「イスカンデルＭ」２弾（被占領下クリミアから発射）

・巡航ミサイル「カリブル」４弾（黒海海上から発射）

・巡航ミサイル「Ｋｈ１０１／Ｋｈ５５５」４５弾（サラトフ州とカスピ海上空の戦略爆撃機「Ｔｕ９５ＭＳ」から発射）

・巡航ミサイル「イスカンデルＫ」１弾（被占領下クリミアから発射）

・航空誘導ミサイル「Ｋｈ５９／Ｋｈ６９」２弾（被占領下ザポリッジャ州から発射）

・自爆型無人機「シャヘド１３１／１３６」（プリモルスコ＝アフタルスク、クルスク州から発射）

この内、ウクライナの防空戦力が撃墜したのは以下の５９点（ミサイル３９弾、自爆型無人機２０機）

・巡航ミサイル「Ｋｈ１０１／Ｋｈ５５５」３３弾

・巡航ミサイル「カリブル」４弾

・航空誘導ミサイル「Ｋｈ５９／Ｋｈ６９」２弾

・自爆型無人機「シャヘド１３１／１３６」２０機