戦争研究所、ロシアがウクライナの港湾を攻撃する理由を解説

米国の戦争研究所(ISW)は、ロシア軍がウクライナの港湾を攻撃するのは、国際社会のウクライナ支援を破綻させ、ウクライナを時期尚早の交渉へと追い込むことが目的だと解説した。

ISWの10月14日付報告書に書かれている

報告書には、ロシア軍が10月5日から4回にわたってウクライナの港湾に停泊する民間船を攻撃したことが指摘されている。その上で、それは「ウクライナの穀物回廊を弱体化させ、ウクライナのための国際支援を破綻させ、ウクライナを時期尚早の協議へと追いやるために、港湾地域を標的とした明らかなロシアの攻撃作戦の一環である」と説明されている。

ISWは、オデーサ州軍行政府が10月14日日中にロシアが弾道ミサイルでオデーサ港を攻撃し、ベリーズ籍民間船「NS Moon」とパラオ籍乾貨物船「Optima」、および港湾インフラと穀物庫に着弾したと報告したことを喚起している。

さらに、ロシア軍が最近、オデーサ港停泊の民間船を10月5日から6日にかけての夜間と10月7日と9日に攻撃したとするウクライナ側の発表も伝えている。

ISWはまた、ロシアの軍事ブロガーが、これらの攻撃への支持を示しており、ロシアからウクライナの穀物インフラ、ウクライナの港湾の民間船や、ウクライナの経済能力をさらに悪化させ得るその他目標へのさらなる攻撃を呼びかけていることも伝えた。

その上で報告書には、「ISWは最近、民間船やその他穀物回廊のインフラに対するロシアの攻撃は、回廊を運用し、防衛するウクライナの能力への西側の信頼を弱体化し、ウクライナに対する長期支援に関する西側の進行中の議論に影響を及ぼし、さらに戦争中にウクライナが経済的に生き残る能力を阻害することを、ほぼ確実に意図していると評価した」と書かれている。

これに先立ち、ウクライナへの全面侵略戦争を続けるロシア軍は、14日日中同国南部オデーサを弾道ミサイルで攻撃。死者1名、負傷者8名が出ていた。

またロシア軍は、11日未明にもオデーサを弾道ミサイルで攻撃。死者4名、負傷者10名が発生

さらにロシア軍は、9日にもオデーサ州の港湾インフラを弾道ミサイルで攻撃し、死者が9名出たことが判明している

写真:国家非常事態庁(フェイスブック