ロシア政権は北朝鮮との協定をあてにして動員を先延ばしにしようとしているよう=戦争研究所

米国の戦争研究所(ISW)は、ロシア政権はおそらく、北朝鮮兵を戦争へ関与させるために北朝鮮との包括的戦略パートナーシップ条約を利用し、それによってロシアでの動員実施をできるだけ先延ばししようとしているのだろうとの見方を示した。

ISWの10月15日付報告書に書かれている

ISWは、ウクライナの報道機関による、ロシアの第11空挺強襲旅団が北朝鮮国民による3000人の「大隊」を編成しているとの報道に注意を向けている(なお、ISWは、3000人は大隊をはるかに超えるものだと指摘している)。報道にてウクライナの情報機関関係者は、その「大隊」はおそらく、クルスク州でのロシアの作戦に関与する可能性が高いと評価。その際、部隊が戦闘作戦に投入される前に、ブリャンスク州とクルスク州の18名の北朝鮮兵がすでに陣地を放棄したと伝えられている。

ISWはこの情報の真偽を独自に確認はできていないとしつつ、ロシアの高官がそれを否定していないことも指摘した。

報告では、10月14日にプーチン氏が露国家院に北朝鮮との包括的戦略パートナーシップ条約の批准を提案したことが喚起されている。また、ペスコフ露大統領報道官が報道機関へのコメントにて、その条約は「国防・安全保障分野の相互協力」の文脈で「明白な」ものだと発言したことが指摘されている。

その上で、ISWは、「クレムリンは、ウクライナのクルスク州への侵攻に対応するために、北朝鮮兵のロシアの戦闘圏への派遣のための法的正当性の提供のために条約の『相互防衛』条項を使おうとしているのだろう」との見方を示している。また、ISWは、最近、被占領下ドネツィク市近くで北朝鮮の少人数部隊の活動についての報告を観察したことを喚起している。

さらにISWは、クレムリンが北朝鮮との間で「相互防衛」について締結することに意欲的であることは、プーチン氏が部分的ないしは全面的な動員を宣言する代わりに、大隊的な戦力創出手段を模索することに傾倒し続けていることを浮き彫りにしていると指摘している。そして、プーチン氏にとってそのジレンマは、クルスク州でのウクライナの8月の侵攻以来、特に深刻になっているという。

報告書には、「プーチン氏は、作戦圏の戦況に実際に対処するために広範な動員をよびかけるよりも、北朝鮮人員をロシア軍に吸収して、その他の非正規戦力を創出する努力に頼ることをより望んでいるようである」と書かれている。