ロシアはウクライナ人に対して拷問や性的暴力を続けている=独立委員会の国連報告
ウクライナにおけるロシアの犯罪の調査を行っている独立国際委員会のエリック・メセ委員長は29日、ロシアは拷問や性的暴力といった手段をウクライナの民間人や捕虜に対して行続けているとする報告を行った。
メセ委員長が国連総会第3委員会で報告した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
同報告は、拷問、性的暴力、民間人やエネルギーインフラ攻撃のような施設が被害を受けた起爆性武器を使用した攻撃に関するものとなっている。
委員会は、ロシア政権がウクライナの民間人や捕虜に対して拷問を行い、人権を侵害していると伝えている。
ロシアは、占領しているウクライナ領のあらゆる場所の、とりわけ人々を拘束している場所などで、拷問を広範かつ体系的に行使しているという。
委員会が記録した事例は、ロシア政権がその際に、ロシアの職員が拷問の実施において、調整された方法で、分業にしたがって行動していたことを示しているという。
また、目撃者は、拷問実施が命令されており、不処罰の感覚が蔓延していると述べたという。元被拘束者は、殴打の際、加害者が「誰も私を止められない。好きなようにやる」と言ったことを伝えている。
その上で委員会は、ロシア当局が調整された国家政策に従って行動してきており、つまり、人道に対する罪を犯してきたと考えているとみなすだけの十分な証拠があると結論付けている。
インタビューに応じた犠牲者たちは、肉体的な苦痛や傷害が長く続いたり、回復不可能な悪影響をもたらしたりすることを説明し、彼らが直面している甚大な心理的問題を強調したという。記録された事例は、ロシア当局が身体の不可侵性と人間の尊厳を露骨かつ深く無視していることを示している、と報告された。
さらに、委員会は、国際人道法によって保護されている医療施設や文化施設を含む、民間人や民間施設を標的とした爆発物を使用した攻撃について調査したと伝えた。
ウクライナのエネルギー・インフラに対するロシアによる継続的な大規模攻撃が停電を引き起こし、時に数百万人の市民に影響を与えている、と報告された。
結論の中で、委員会は、被害者の利益のために加害者の責任を追及し、不処罰の慣行を根絶することの重要性を再確認している。