ウクライナを「悪い和平合意」へ追いやることは米国にとっての深刻な脅威=ルッテNATO事務総長

北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は、トランプ米次期大統領に対して、ロシアに有利な条件での和平合意への署名へとウクライナを追いやったら、米国は中国、イラン、北朝鮮による深刻な脅威に直面することになると警告した。

ルッテNATO事務総長がフィナンシャル・タイムズへのインタビュー時に発言した

ルッテ氏は、「私たちは、私たちがウクライナにとって良くない合意を締結することで、金正恩、ロシアの首脳、習近平、イランが一緒に喜ぶような状況を許してはいけない。なぜなら、長期的展望で、それは欧州だけでなく、米国にとっての安全保障への深刻な脅威となるからだ」と発言した。

同氏は、11月22日の米フロリダでのトランプ氏との会談では、その点を強調し、西側同盟国との連携を維持し、米国の対ウクライナ支援を継続するようトランプ氏を説得しようとしたと発言した。

そして同氏は、「イラン、北朝鮮、中国、ロシアが緊密に協力しているという事実は、…紛争があり、政治家がコントロールせねばならない世界の様々な場所が互いにますます結びついているということだ」と発言した。加えて同氏は、台湾を念頭に、「そして、そこから何が生じるか、ということを非常に注意深く観察している習近平もいる」とも補足した。

そして同氏は、どのような潜在的和平協議の前にウクライナへの軍事支援を増加することは、ウクライナをいつNATO加盟に招待することができるかという議論よりも重要だと指摘した。

加えて同氏は、「現在最も重要なのは、ゼレンシキー氏がいつ和平協議を開始すると決めようとも、彼がそれを力の立場から行えるようにすることなのだ」とし、「それは私にとって今、一番の優先課題だ」と強調した。

その他同氏は、和平協議とNATO加盟招待の一貫性については、「それは、同盟国が互いに協議していることだ。何が次の最善のステップになり得るか、どのようにそれに取り組むか」と指摘した。

同時に同氏は、「しかし、私は彼らに常に述べているが、(中略)直近の未来において最も重要なことは、ウクライナにあなた方の軍事支援を与えることだ。特に防空装備品、それから、戦争遂行のために彼らが必要としている攻勢のための機材もだ」と補足した。