メルツ独野党党首、独によるウクライナへの長射程兵器供与への支持を明言
ドイツの最大野党会派「キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)」のトップを務めるメルツCDU党首は9日、同政治勢力はロシア領内の軍事目標に到達する長射程兵器のウクライナへの供与を支持していると発言した。
キーウを訪問したメルツ氏がゼレンシキー宇大統領との会談前に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
メルツ氏は、ロシアの対ウクライナ侵略戦争はすでに1000日以上続いていると指摘した。また同氏は、ドイツにはウクライナへの軍事支援に関する「非常に集中的な」議論が続いていると伝えた。
同氏はまた、「しかし、この戦争をできるだけ早く終わらせ、再び平和が欧州地域とあなた方の国に訪れるように、私たちが軍事支援を与え、今後も与えていくということには原則的なコンセンサスがある。強調したいが、私たちの誰も、この戦争が際限なく続くことは望んでいないし、私たちはそれをできるだけ早く終わらせたいと思っている。そして、私たちの今日のやり取りの際に、どのようにそれを実現できるかについて協議したいと思っている」と発言した。
さらに同氏は、ドイツではどの兵器をウクライナに提供することができるかについて非常に激しい議論が続いていると伝えた。
そして同氏は、「私たちの会派の立場は明確だ。私たちはあなた方の軍に(編集注:ロシア領内の)軍事基地に到達する能力を提供したい。民間人やインフラへではなく、あなた方の国への戦争遂行の起点となっている目標に対してだ」と明言した。
同氏は、数週間前に独議会で、長射程兵器の制限によって「私たちはあなた方に対して片手を背中の後ろに回して戦うことを強要している」と発言したことを伝えた。
また、ゼレンシキー大統領は、同会談後、長射程能力強化などにおけるドイツのこれまで以上に強力かつ断固とした行動に期待していると発言した。
ゼレンシキー氏は、ドイツはウクライナへの支援規模において米国に次ぐ2番目の国だとし、ドイツの支援額は現時点で約370億ドルとなっていると伝えた。
そして同氏は、「私たちはそれにつき非常に感謝している…。それは戦争中ずっと非常に強力に役立っている。そして、その支援が止まらないこと、ドイツがウクライナを支え続けることは非常に正しい。その立場に感謝している」と発言した。
同氏はまた、過去1週間ドイツ側との活発な協議活動が行われていると指摘し、ショルツ独首相がキーウを訪れ、自身はフランスでシュタインマイヤー独首相と「長く、生産的な対話」を行ったと伝えた。
同氏は、ドイツ政府とドイツ国民に支援に感謝した上で、ウクライナの長射程能力の強化への期待を表明した。
その際同氏は、「私たちはドイツから、あなた個人からのより強力かつ断固とした行動に期待している。それにとても期待している…。地政学に関しても、NATOに関しても、私たちはあなた方の立場をとても聞きたい。ウクライナの長射程(能力)強化についてとても期待している」と強調した。
加えて同氏は、ドイツに滞在しているウクライナ国民への支援についても謝意を伝えた。そして同氏は、ウクライナは自国民を帰国させられるようにあらゆることを行っていると発言した。
同氏は、「私たちは国外にいるウクライナ人について何度もドイツ政府と話してきた。私たちは、彼らを非常に必要としているし、彼らは私たちの国の国民なのだ。私は、ドイツの政府や議会の支援、ウクライナ人を戦争の最初から受け入れてくれ、支援、住居、資金を与えてくれた一般人、就職支援をしてくれた人たちに感謝している。今私たちは、もう数百万人の人たちのことを話ている」と発言した。
また同氏は、ウクライナは国家団結省を創設したとし、同省は外務省と共に、国外に滞在するウクライナ国民について活動していくと伝えた。