ウクライナ政府は日本側にミコライウ橋建設開始を前倒しするよう要請=インフラ相

ウクライナは日本側に対して、JICAによる南部ミコライウ市の新しい橋の建設プロジェクトの実現開始時期を見直すよう要請している。

2日、ミコライウ市の実務会議にて、記者からウラディスラウ・クリクリー・インフラ相に対し、政府は現存の南ブフ川の橋の改修のために予算を割くつもりかとの質問した際、同大臣が発言した。

クリクリー大臣は、「私たちは、駐ウクライナ日本大使に、JICAのミコライウ市の南ブーフ川にかける橋の建設プロジェクトの実現開始時期を見直すよう要請した。そうでなければ、私たちは、同プロジェクトに他の実施者を誘致する可能性を排除できない。なぜなら、7~8年は(現在ある)ヴァルヴァリウシキー橋が耐えられないだろうし、インフラ上の問題が生じるからだ」と発言した。

同大臣は、既に長い間協議が行われており、一定のプロセスが始まっており、一方的に全てを止めることは正しくないと述べ、そのため、全てはプロジェクト実施主体がどの程度迅速に行動できるかに左右されると発言した。

その上で、大臣は、「もし日本側による新しい橋の建設の具体的な期間の提示がなければ、その際は現存の橋の改修のための国家予算プログラムを検討することになろう」と発言した。

なお、これまでの報道では、2018年6月、JICAがミコライウにて、南ブフ川にかかる新しい橋の建設プロジェクトを発表したことが伝えられていた。

2030年までのウクライナの国家交通戦略では、この迂回のための新しい橋は、優先課題の一つとなっている。この橋は、同地の交通量を軽減し、同地域の住民・企業にとっての生活・活動環境を改善することが目的となっている。

分析結果によれば、ミコライウ市の現存のヴァルヴァルシキー橋とインフリシキー橋は、毎日3万台以上の車両が通行。同時に、ヴァルヴァルシキー橋は、2018年に危険な状態と診断されており、修理には130万フリヴニャが必要だとの試算が出ている。