ウクライナ企業、独露天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」認証プロセスへ参加 拒否権はなし

ドイツのエネルギー規制機関である「連邦ネットワーク庁」(BNetzA)は、ウクライナのナフトガス社とガス輸送システム・オペレーター社が独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の認証プロセスへの参加を発表した。ただし、両者は、認証への拒否権は有さない。

15日、連邦ネットワーク庁(BNetzA)の広報室がウクルインフォルムに伝えた。

BNetzAは、「今日、認証プロセスに国営ナフトガス社と民間株式会社ガス輸送システム・オペレーター社を招待したことを認めることができる。両社は、行政的プロセスに参加する手続き的権利、具体的には、コメントをする権利を有す。それは拒否権とは結びつかない」と伝えた。

また同日、ナフトガス社とガス輸送システム・オペレーター社もまた、BNetzAが両社のガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」運営の認証プロセスへの参加を認めたと発表していた。

ヴィトレンコ・ナフトガス社総裁は、ウクライナ側は、近々規制当局に対して、EU法、国際法の完全遵守が確保されるまでは、ノルド・ストリーム2の認証が不可能であることについての自らの法的立場を提示する準備があると発言しており、BNetzAがこの立場を考慮することを期待していると述べた

なお、ノルド・ストリーム2は、今年9月に完工している。現在、BNetzAによる同パイプライン認証手続きが続いている。

同天然ガスパイプラインは、ウクライナを迂回する形で、ロシアからドイツへとバルト海を通じて建設されたもの。露国営ガスプロム社などが出資者。

また、7月21日、米国とドイツは、「ノルド・ストリーム2」に関する合意を発表していた。同合意によれば、ロシアが同パイプラインをウクライナに対して武器として利用した場合には、ドイツが一国で対応する他、欧州連合(EU)に対して制裁を含めた効果的方策を採るよう要請することになる。同合意は、米国が同ガスパイプラインの完工を容認するものであるとして、米国内外にて批判が出ていた。

とりわけ、同合意につき、ウクライナとポーランドは、独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」はウクライナや中欧全体に対する政治、軍事、エネルギー面の脅威を生み出すものであり、米独合意はそれを止める試みを拒否するものだとして批判している。