ウクライナ・エネルギー相、夏にも電力供給の問題が生じる可能性を指摘

ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は13日、冬季の電力供給が厳しいものになると予想し、今から準備を行うよう消費者に勧告しつつ、同時に夏にも問題は生じる可能性があると指摘した。

ハルシチェンコ・エネルギー相がテレビ番組「統一ニュース」への出演時に発言した

ハルシチェンコ氏は、敵の攻撃により現在すでに電力システム上の約8GWの発電能力が失われたと伝えた。

そして同氏は、「特に冬季は、制限(編集注:計画停電)なくシステムを維持することは困難となる。また、私たちが現在状況を現時点を基準に見ているが、今後の攻撃、そのシステムへの影響を考慮した上での冬までの状況を予期することが難しいことも考慮せねばならない。しかし、システムへの追加的悪影響が生じることは明白だ。よって、状況は困難である」と発言した。

その上で同氏は、全ての消費者に対して、困難な冬への準備を勧告し、同時に電力事業者は2023〜2024年の冬のようにシステムが安定して稼働するよう、あらゆる可能なことを行うと強調した。

同時に同氏は、「たとえ今日制限がなくても、戦争が続いていること、この瞬間どこかで制限があることを理解せねばならない。よって、省エネが非常に重要となる」と強調した。

これに先立ち、8日、ロシア軍は、ウクライナのヴィンニツャ州、ザポリッジャ州、イヴァノ=フランキウシク州、キロヴォフラード州、ポルタヴァ州、リヴィウ州の電力インフラ施設をミサイルと無人機で大規模に攻撃した。これにより、DTEK社の3つの火力発電所や、住宅、教育施設、病院が破損している。

ウクライナのシンクタンク「ラズムコウ・センター」のヴォロディーミル・オメリチェンコ・エネルギー問題代表は、現在ウクライナの発電能力の70%以上が破壊・破損されたか、占領されていると伝えており、国民による省エネの必要性を訴えている