欧州評議会議員総会、ロシアの同議会への回帰を可能とする決議を採択 ウクライナ代表団は抗議
欧州評議会議員総会(PACE)は、ウクライナへの侵略を契機にPACE内の権限を剥奪されていたロシア代表団のPACE回帰を可能とする決議を採択した。投票後、ウクライナ代表団は抗議の意思表明として議場を去った。
24日、PACEにて約10時間続いた議論の後、同決議案が投票にかけられ、PACE議員118名が賛成、62名が反対、10名が保留の票を投じた。ウクルインフォルムのストラスブルク特派員が伝えた。
なお、同日の会議には、ロシア代表団も出席していた。
ウクライナと英国の議員を中心に提出された同決議案を修正する200以上の提案は、1つも採択されなかった。
同時に、ウクライナ代表団やその他の国の議員は、ロシア代表団の回帰を訴える手続きを開始した。ウクライナ代表団のヴォロディーミル・アルイェウ団長は、ロシア代表団のうち6名の議員は欧州連合(EU)の個人制裁であり、対ウクライナの侵略を賛成した人物であることが本件イニシアティブの根拠であると指摘した。
また、同投票後、ウクライナ代表団は、抗議の意思表明として、PACEの議場を去った。ウクライナ代表団以外にも、ジョージアやバルト3国などの議員が多く退場した。
なお、ロシアは、2014年の対ウクライナ侵略開始により欧州評議会の憲章と原則に違反したことによりPACEから制裁を科されており、数年間にわたり自国議員代表団をPACEに送らず、2年以上にわたり欧州評議会予算への分担金の拠出も拒否している。
欧州評議会内では、ロシアによる分担金不払いやウクライナへの侵略継続と無関係に、ロシアのPACE回帰を目指す強力なロビーグループが活動している。
5月13日、クリムキン外相は、欧州評議会が、ロシアに対して課される義務の履行を同国へ要求することを止めれば、それはウクライナがミンスク諸合意履行を止めると発表する根拠となり得ると発言した。