プーチン露大統領、国籍付与簡素化措置をドンバス地方全域の住民に拡大

ロシア連邦のプーチン大統領は、ロシア国籍付与の簡素化措置をウクライナ東部ドンバス地方の占領地域居住の住民だけでなく、同地方全域のウクライナ住民に対して適用する大統領令に署名した。

17日、関連大統領令がロシアの公式司法情報インターネット・ポータルに掲載された

同大統領令は、2019年4月29日に航海された大統領令を修正するもの。とりわけ、これまでのロシア国籍付与手続き簡素化措置がドネツィク・ルハンシク両州一部地域に居住するウクライナ国籍者及び無国籍者を対象にしていたが、今回の大統領令により「一部地域」の文言が削除され、両州全域の住民が同措置の対象となる。

新しい大統領令によれば、ロシア国籍を求める者は、2014年4月7日と同年4月27日の時点にドネツィク州あるいはルハンシク州に恒常的居住登録があったことが確認できる文書の提出が必要になるとのこと。

なお、これに先立ち、プーチン露大統領は、5月1日にも大統領令に署名し、被占領地下にあるクリミアとセヴァストーポリ市に過去に居住し、2014年3月18日までにこれらの地を立ち去った人物、及びその家族構成員等にロシア国籍付与手続きを簡素化する大統領令に署名していた。

なお、フロイスマン首相は、ウクライナ側は侵略国であるロシアが付与するロシア国籍はこれまでも認めていないし、今後も認めないと発表。

欧州連合(EU)は、5月2日の欧州安全保障協力機構(OSCE)常駐理事会にて、ロシアのウクライナに対する露国籍付与手続き簡素化決定はウクライナ不安定化の試みであると発表している。