ロシアによるケルチ海峡での船舶臨検時間、11月は平均50時間強
11月、アゾフ海と黒海を繋ぐケルチ海峡を通る船舶に対して、ロシア治安機関が臨検を行う時間は、前月と比べて数倍長くなっている。
9日、シンクタンク「外交のマイダン」の黒海地域研究家アンドリー・クリメンコ氏がフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
クリメンコ氏は、「2019年11月の総括(12月1日時点)となるケルチ海峡の状況は、10月と比べて、著しく悪化している。船舶がアゾフ海へ入域する際の意図的拘束の平均時間は、16.1時間から56.2時間になった(3.5倍)。アゾフ海から黒海へ出る際は、26.9時間から52.8時間になった(1.96倍)」と報告した。
同氏は、海上が荒れて、ケルチ海峡が封鎖された日を省いた場合の計算も行ったとし、「客観的な状況を把握すべく、私たちは、荒れた日に船舶が航行が認められなかった時間を省いた『嵐抜き』統計値も棒グラフ上に個別に提示したが、状況に決定的な変化はない。(編集注:アゾフ海への)入域時は、16.1時間から40.9時間(嵐抜き。2.5倍)、出域時は26.9時間から39.6時間(1.47倍)だ」と説明した。
クリメンコ氏は、10月にケルチ海峡での商業船に対する臨検時間が減少していたことを、専門家たちは2019年12月9日のノルマンディ4国首脳会合への参加と関係していたのだろうと指摘していると伝えた。