米国、モトール・シーチ社獲得を目指す中国企業に制裁発動

米商務省は、ウクライナの民間航空機用エンジン製造企業モトール・シーチ社に投資する中国のスカイライゾン・エアクラフト・ホールディングス社に対して制裁を発動した。

米商務省が公表した

発表にて、ウィルバー・ロス商務長官は、「中国の国営スカイライゾン社、同社による外国の軍事技術獲得・合法化の試みは、米国の国家安全保障と外政利益に重大な脅威を生み出している」と発言した。

同長官は、スカイライゾン社に制裁を科すことで、米国は、同社が中国軍と密接なつながりを持っていることを警告したいと思っていると説明した。同長官は、「中国の南シナ海における無謀かつ強い敵意を持った行動、そして、自国の軍事化を目的として、機微な知識財産・技術獲得のための攻撃的推進は、米国の国家安全保障、国際社会の安全保障への脅威となっている」と指摘した。

その他、今回、中国のChinese National Offshore Oil Corporation社が制裁対象となった。

今後、これらの企業は、米国において、輸出、再輸出、商品移送のために追加的登録をしなければならなくなる。

なお、これに先立ち、米国は、中国の国防分野への関与が疑われる9の企業に対しても制裁を発動していた。

なお、2019年8月、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(当時)がキーウ(キエフ)訪問時、ウクライナのモトール・シーチ社の中国への売却の合意に関する最終的な決定はウクライナの主権的権利であると述べつつ、「私たちは、一般的に、中国側が、とりわけ米国で行っている、不正義かつ不公正な慣習についての警告と懸念を(ウクライナ政権側に)伝えた」と述べている。ボルトン氏は、その際、懸念の理由として、軍事技術の窃取を指摘している。