ウクライナ外務省、ロシアによる被占領下クリミア・ドンバスでの露議会選挙組織に抗議

ウクライナ外務省は、9月17〜19日に投票日を迎えているロシア連邦国家院選挙が被占領下ウクライナ南部クリミアでも違法に組織されていること、またウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地の住民が強制的に選挙に参加させられていることに対して、強い抗議の意を表明している。

17日、外務省声明が発出された

外務省は、今回の違法投票の組織・実施は、ロシアによるウクライナ国家主権と領土一体性の著しい侵害の継続とみなすと指摘した。

また声明には、ロシアの行動が国際法、ウクライナ・ロシアの二国間協定、ウクライナ国内法を著しく侵害するとともに、国連憲章、国連総会決議、1975年8月1日付全欧安全保障協力会議(CSCE)最終文書に反するものだと強調されている。

さらに、ロシアによる一時的占領下クリミアでの選挙実施とその結果は、一切の法的効力を発しないと指摘された。

加えて、外務省は、クリミア住民同様、ドネツィク・ルハンシク両州一時的被占領地の住民をロシアの選挙に関与させることは、ロシア国家院選挙の結果を決定的に歪めるものであり、総じて、その選挙の合法性自体に疑念をもたらすものだと指摘した。

外務省は、クリミアでの違法投票とドネツィク・ルハンシク両州被占領地でのウクライナ国民の選挙への参加組織に関わった者は皆、ウクライナ国内法に従って責任を負うことになると説明した。

その上で、外務省は、諸外国と国際機関に対して、ロシアの行為を非難し、一時的被占領下ウクライナ領でのロシアの選挙結果と、同選挙により形成されるロシア連邦国家院の合法性を認めないことを明言し、ロシアに対して、制裁拡大をはじめとする政治・外向的圧力を強化するよう要請している。

さらに外務省は、ロシアに対して、クリミアとドンバスの占領を止め、一時的占領地での違法行為に終止符を打ち、国際機関・国際裁判所の関連決定を完全な形で履行するよう要求している。