ウクライナ安保会議、クリミア・ドンバスでのロシア選挙実施関係者への制裁発動を決定
ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)は17日、一時的被占領下ウクライナ領クリミア・ドンバスにおけるロシア連邦国家院選挙の組織・実施に関わった人物に対して制裁を発動する決定を採択した。
オレクシー・ダニーロウNSDC書記が同日のNSDC会合後記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ダニーロウ氏は、「NSDCの今日の会合で審議された3つ目の問題は、制裁問題だ。二つの報告があり、内1つは、イヴァン・バカーノウ保安庁(SBU)長官の報告であった。大多数の制裁は、現在の被占領下クリミアと被占領下ドネツィク・ルハンシク両州の問題に関わっている。つまり、ロシア連邦のいわゆる国家院選挙である。私たちは、ロシア連邦はその地で選挙を行う権利を有していないことを確信しており、故にそのプロセスの関係者、その選挙における公的人物である参加者、投票所委員会委員、宣伝者、候補者、監視員は全員、私たちの国の制裁対象となる」と発言した。
同氏は、現在被占領下ウクライナ領にてロシア国家院選挙組織・実施への関与者の第一リストが作られており、リストに掲載される人物全員に対して、まもなくゼレンシキー大統領の大統領令により制裁が科されると伝えた。
制裁対象となる人物につき、同氏は、地域選挙委員会委員53名、国家院選挙候補者33名の他、政権幹部7名、アレクセイ・ナワリヌィ氏への毒殺未遂事件に関与したロシア連邦保安庁(FSB)職員に対しても制裁が科されるとし、さらに「これは初回のリストだ。今後も続く」と説明した。
加えて同氏は、今回のロシア国家院選挙へ関わろうとしている外国国籍者に対して、「もし彼らが公式監視員や、選挙後の何らかの人物として現れた場合、彼らが何らかの免責を有すような議員だろうが政権幹部だろうが関係なく、彼らもまた必ず私たちの国の制裁対象となる」と警告した。
なお、ロシアは、9月17日から19日にかけて国家院選挙の投票日を迎えている。
ウクライナ外務省は、この国家院選挙が被占領下ウクライナ南部クリミアでも違法に組織されていること、またウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地の住民が強制的に選挙に参加させられていることに対して、強い抗議の意を表明している。
ウクライナ最高会議(国会)は、ロシアが国家院選挙に向け、一時的被占領下ウクライナ領でも違法に選挙準備をしていること、またドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域のウクライナ国民も投票に参加できるようにしていることから、同選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかける決議を採択している。