ウクライナ大統領府関係者、ラズムコウ国会議長と与党の間の見解相違を説明

ウクライナ大統領府長官の顧問を務めるミハイロ・ポドリャク氏は、ドミトロー・ラズムコウ最高会議(国会)議長との間に刑事面でのクレームがあるわけではないが、同氏と与党との間には国家発展戦略上の見解の相違があると指摘した。

ポドリャク氏がニュースサイト「グラフコム」へのインタビュー時に発言した

ポドリャク氏は、「ラズムコウ氏に刑事的なクレームがあるわけではないのは明白だ。しかし、党(編集注:与党「人民奉仕者党」)とラズムコウ氏の間に根本的な相違が発覚しているのだ。彼が国家安全保障国防会議(NSDC)で、メドヴェチューク氏に関する制裁や、彼のテレビ局への制裁のような件で投票しなかったことを思い出して欲しい。そのテレビ局がロシアの情報戦の手段の延長戦上にあることは全くもって確かなのに。他にも、農地改革へ投票したがらなかったこと、反オリガルヒ法への投票を明らかに嫌がっていることもある」と発言した。

同氏は、これら全て、ラズムコウ氏を議長に推薦した与党「人民奉仕者」の立場に反しているとし、「それは、彼(ラズムコウ氏)が、国家戦略について、彼が出馬した党の公約と異なる見方をしているということを示している。彼は、現存システムを全て維持すべき、保存すべきだと考えている。他方で私たちは、このシステムにはもうリソースがないと考えているのだ」と発言した。

同時に同氏は、閣僚や最高会議議長は、選挙で決められたのではなく、政党が推薦したものであるため、その更迭・交代といった問題は、議会情勢の問題、政党内部の話だと指摘し、「ラズムコウ氏と政党の間の現在の世界観上の対立が今後も伸長するようなら、おそらく、大統領が断固とした判断でもって介入せざるを得なくなるだろう」と発言した。

これに先立ち、ウクライナの複数の報道機関が、ラズムコウ最高会議議長の辞任が予定されているとの情報を拡散していた。

これに関してラズムコウ氏は、テレビ番組出演時に、議員が自身の辞任を主導する場合、ポストにしがみつくことはないと発言していた。

同時に、オレクサンドル・コルニイェンコ人民奉仕者党会派長は20日、同党議員は現時点でラズムコウ氏の議長辞任を主導することはないと発言していた。