モルドバ大統領、ロシア軍のトランスニストリア地域からの撤退を再要請
サンドゥ・モルドバ大統領は、同国がロシアに対して、モルドバ領トランスニストリア地域からのロシア軍、兵器、弾薬の撤退・撤収を要求していることを喚起した。
22日、サンドゥ・モルドバ大統領が第76回国連総会本会議での演説の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
サンドゥ大統領は、「私はまた、モルドバ憲法の中立の精神と国際法の精神の下、ロシア軍の完全かつ無条件の撤退に関する私たちの立場に変化がないことを改めて述べたい。それは、地域全体の安全と環境に脅威をもたらしているコバスナの弾薬庫の弾薬撤去あるいは破棄も含む。私たちは、国際社会全体のサポートを期待している」と強調した。
大統領は、モルドバはトランスニストリア地域の紛争を平和的・政治的に解決することを断固として支持していると述べつつ、それは「モルドバの国際的に認められた国境内での主権と領土一体性が基本」とならねばならないとも強調した。
大統領はまた、黒海地域の安全保障状況が悪化していることにも懸念を表明した。
なお、モルドバ国内法では、トランスニストリア地域は、特別な法的地位を持つ自治領となっている。同地域の自称「沿ドニエストル共和国」は国連加盟国のうち一国からも認められておらず、いわゆる「非承認国家」となっている。
トランスニストリア地域には、第14ロシア軍が駐留している。1999年、欧州安全保障協力機構(OSCE)イスタンブル首脳会談にて、ロシア連邦は、2002年末までに同地から軍と弾薬を撤退することが義務付けられたが、ロシアはこれを現在まで履行していない。
2017年、モルドバ憲法裁判所は、ロシア軍のトランスニストリア地域への駐留は国家の中立に反するものだと認定している。