ノルド・ストリーム2の試験運用開始
4日、独露間の新ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の第一ラインへのガス充填手続きが始まった。
「ノルド・ストリーム2」のウェブサイトにて発表された。
発表には、「ラインに徐々にガスが充填され、更なる技術試験に必要な体積と圧力に達する予定である」と書かれている。
なお、デンマーク・エネルギー庁(DEA)は、ノルド・ストリーム2に利用開始許可を与えている。DEAの発表には、「ノルド・ストリーム2AG社が認証に関するものを含め関連条件を満たしたことから、10月4日、DEAは、ガスパイプラインB利用の許可を発出した」と書かれている。
また同日、ネッド・プライス米国務省報道官は、記者会見時、ノルド・ストリーム2のロシア側によるテスト開始について記者からコメントを求められた際、「私たちは、同パイプラインに反対し続けており、引き続き、それをロシア連邦の地政学的プロジェクトだとみなしている」と発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
プライス氏は、「私たちは、継続している断続的レビューに基づき、引き続き法を適用としていく」と発言した。
なお、過去1か月間、欧州連合(EU)のエネルギー市場ではガス料金が高騰しており、1000立方メートルあたり約1000ドルの水準に達している。この価格高騰は、ウクライナを迂回するガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の認証、露ガスプロム社によるEU諸国向け追加的ガスの採掘の拒否を背景に生じている。ノルド・ストリーム2は、すでに完工しており、現在ドイツ規制当局の認証付与を待っている段階にある。
米国では、PEESA、PEESCA、CAATSAといった複数の法律により、ノルド・ストリーム2プロジェクトに参加する個人・法人全てを国務省が米議会に対して定期的に提示することが定められている。米政権は、このレビューに応じて、ノルド・ストリーム2プロジェクトを阻止することを目的とした制裁を発動することが義務付けられている。