銀行警備による記者への暴行事件 ウクライナ大統領府がコメント
国営ウクレシムバンク総裁へのインタビュー時に記者が同行職員から襲撃を受け、機材を取り上げられ、データを削除された事件につき、ウクライナ大統領府は、同行総裁の停職を支持すると発表した。
6日、大統領府広報室がミハイロ・ポドリャク大統領府長官補佐官の発言を公開した。
ポドリャク氏は、ウクレシム銀行を巡る状況に関する大統領府の公式立場は明確で、社会における同行幹部の行動に対する非難と完全に一致すると伝えた。同氏は、「ウクレシム銀行を巡る状況は、否定的にしか受け止められない。いうまでもなく、社会が目にしたように、銀行代表者からの振る舞いは、受け入れられないものだ。表現の自由は、ウクライナの根源的価値に属するものである。そのため、どのようなレベルの幹部であれ、その義務は、記者と正しく対話すること、記者の質問の権利を尊重することであり、それは社会にとって重要なことである」とコメントした。
また発表には、現在警察とウクレシム銀行の監査委員会が本件に関する声明を出し、また警察が刑事捜査を開始したことが伝えられている。その上で、ポドリャク氏は、「捜査と調査にとって一切の、仮定的な妨害すら生じ得ないようにするためには、銀行総裁職の停職の決定が論理的だろうと思われる」と発言した。
また、同日、ウクレシム銀行は、マツヘル同行総裁が捜査機関中、総裁権限執行を止めると発表したことを伝えた。
これに先立ち、4日、ラジオ・スヴォボーダの汚職犯罪調査報道プロジェクト「スキーム」の記者がイェウヘン・メツヘル・ウクレシム銀行総裁へのインタビュー時に暴行を受けたと発表。記者たちは、同総裁が質問の一つを気に入らず、その後警備員がムービーカメラマンに暴行し、機材や動画データ保存器具を取り上げたという。1時間後にこれらは返却されたが、インタビュー全編や襲撃を映した動画は全て削除されていたと説明された。