ウクライナ国会、欧州各国にEU加盟展望承認を呼びかけ 声明採択
ウクライナ最高会議は、欧州のパートナー国に対してのウクライナの欧州連合(EU)加盟展望を認める呼びかけなどからなる声明を採択した。
8日、最高会議議員304名が「ウクライナのEU統合の優先的問題に関するウクライナ最高会議声明」決議に賛成した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
声明には、「ウクライナ最高会議は(中略)EU条約第49条に従いウクライナのEU加盟展望を認めるよう呼びかける」と書かれている。
また、最高会議は、ウクライナ憲法に記載されているウクライナのEU完全加盟に向けた戦略的方針を再確認した。
その他、欧州議会に対して、本会議にて、独露間天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」プロジェクトにつき、EU第三次エネルギーパッケージの規範に違反し、エネルギー共同体の原則に反し、欧州のエネルギー安全保障にとってリスクをもたらすものであるとして、その禁止を審議するよう要請した。
さらに、最高会議は、ノルド・ストリーム2が中・東欧のエネルギー面と地政学上の安全保障にとっての脅威を喚起し、EUに対して、同パイプライン稼働のリスクを考慮し、それが武器として利用されることを警戒し、防止するためのあらゆる可能な方策を取るよう要請した。
その他、声明では、ウクライナにおける欧州グリーンディール原則の実現に向けて、さらなる分野別協力や支援提供を呼びかけた。また、欧州委員会に対して、東方パートナーシップ(EaP)のための経済・投資計画実現の一環でウクライナ政府と協力やウクライナのグリーン変貌への国際投資調整を呼びかけた。
加えて、EUと加盟国がロシアの侵略を受けるウクライナの領土一体性・主権を支持していることを高く評価した上で、クリミア占領の試みとドンバス占領が続くことから対露制裁の維持と強化が重要だと指摘した。
また、最高会議は、ロシアがウクライナ国民に違法に国籍を付与していること、及び、ロシアの選挙にウクライナ国民を強制的に参加させていることに関して、対露制裁を強化するよう要請した。
声明にはまた、EU代表者がウクライナ独立30周年記念式典とクリミア・プラットフォーム立ち上げ首脳会談に出席したこと、コロナワクチンのウクライナによる確保をサポートしたこと、今後のパンデミック克服に向けた協力への準備につき、シャイを伝えた。
なお、10月12日、キーウ(キエフ)にて、ウクライナEU首脳会談が開催される。