ウクライナ外務省、露高官による「NATOがウクライナを軍事化」発言にコメント

ロシア連邦政権高官によるウクライナと北大西洋条約機構(NATO)からの「脅威」に関する発言につき、ウクライナ外務省は、ロシアは現実を歪めて認識している、とコメントした。

27日、オレフ・ニコレンコ・ウクライナ外務省報道官が、マリヤ・ザハロヴァ露外務報道官によるウクライナ軍事化関連の発言につき、ウクルインフォルムにコメントした。

ニコレンコ報道官は、ウクライナのNATO加盟はウクライナの国民の戦略的選択なのであり、ウクライナ憲法にも記載されているものだと指摘し、「私たちは、NATOを安全の傘とだけみなしているのではなく、共通の民主的価値の空間としてもみなしているのだ。NATOとの協力の更なる発展は、ウクライナとNATO加盟国の意志にのみ左右されるものである。その対話において、ロシア連邦に発言権はない」と強調した。

同報道官は、ウクライナは平和、正義、国際法の尊重を希求しているが、一方で、ロシア連邦の外政は、国際法に基づいた国際秩序を弱体化させることを目指していると指摘した。

加えて、同報道官は、「ロシア高官による、ウクライナからの空想上の脅威に関する発言は、現実に対する歪んだ認識の産物である。ロシアが現在すべきなのは、NATO軍の駐留場所を数えることではなく、ロシア・ウクライナ武力紛争解決を前に進めるために努力することなのだ。そのためには、現存の協議フォーマットでの会合を避けるための言い訳を考え出すのを止め、ミンスク諸合意とノルマンディ・フォーマット首脳合意を良心的に履行し始めなければならない」と発言した。

また、同報道官は、ロシア国民が求めているのは、侵略政策の推進ではなく、一般国民の生活改善であるとし、ロシアは基本的人権の遵守保証、法の支配システムの構築、新型コロナウイルス感染症からの保護手段の提供をこそすべきだと指摘した。

これに先立ち、ロシア外務省のザハロヴァ報道官は、反ロシア・ヒステリーを駆り立てることはNATO加盟国にとって得になっていると主張し、それらの国は、存在しないロシアの脅威なるもので、ウクライナの軍事強化を覆い隠しているとし、現在ウクライナ国内に、約10のNATO軍人の駐留する場所があるなどと発言していた。