G7大使、ウクライナ裁判改革の重要機関設置を歓迎

ウクライナに駐在するG7の大使たちは、司法政権最高機関である「高等司法評議会」メンバーの職業倫理などの審査を行う、「倫理評議会」が設置されたことを歓迎するメッセージを発出した。

10日、G7大使ウクライナ・サポート・グループがツイッター・アカウントにメッセージを掲載した

メッセージには、「G7大使たちは、高等司法評議会の倫理評議会の設置を歓迎する。高等裁判官選考委員会と並び、それはG7メンバーが、政治的、実践的、財政的にサポートし続けている包括的裁判改革にとって、決定的意味を持つものである」と書かれている。

これに先立ち、8月3日、ゼレンシキー大統領は、裁判改革を実現するための重要法とされる、高等裁判官選考委員会再編法(第3711ーd)と、高等司法評議会再編法(第5068)に署名し、発効させていた。両法は、国際専門家を参加させた上でのウクライナ司法政権の人員刷新を定めている。

とりわけ、高等司法評議会再編法は、高等司法評議会のメンバーの公正性の調査手続きを定め、また裁判官に対する懲罰手続きも変更するもの。「高等司法評議会」とは、裁判官の任命や、裁判官への懲罰、解任を最終的に決定する、司法システム上の重要機関である。同法は、「倫理評議会」の設置を定めている。同評議会は、ウクライナ裁判官評議会が定める裁判官あるいは退官裁判官から計3名と、国際機関が定める3名(国際専門家)の計6名で構成される。この際、倫理評議会では、「公正選考委員会」同様、国際専門家が決定的投票権を得る。

この倫理評議会は、高等司法評議会のメンバー候補の専門倫理と公正さの基準を調査、及び評議会設立後3か月以内に高等司法評議会現職メンバーの専門倫理と公正さの基準を調査する。倫理評議会は、評価に応じて現職メンバーの解任勧告を行うことができる。

11月9日、ゼレンシキー大統領は、倫理評議会が設置されたことを歓迎するメッセージを発出している。倫理評議会を構成する6名中3名は、パートナー国の推薦した、米国、英国の引退した高位の裁判官とエストニアの元検事総長が就任している。