ウクライナ大統領府、ベリングキャットの調査報告にコメント

17日、ウクライナ大統領府のポドリャク大統領府長官顧問は、昨年露民間軍事会社「ワグナー(ヴァグネル)」の戦闘員がベラルーシで拘束されたのは、同国での大統領選挙を前に防諜体制が強化された結果だと発言した。

ベリングキャットによるワグナー傭兵拘束事件調査の報告書発表を受けて、ポドリャク氏がウクルインフォルムにコメントした。

ポドリャク氏は、「情報機関の活動がこれほどまでオープンに明らかにされるというのは、非常に間違ったことである。それは静寂と非公開を要求する特殊な活動である。情報機関はそういうものであり、そこには常に多くの様々な計画があり、その多くが決して公開されることのないものである。そのような計画は幅広く公の場で議論されるものだろうか。(されたとしても)非常に大まかな内容のみである」と発言した。

同氏はまた、ベリングキャットの報告書には、「元職員」の発言があるのみであり、それについてベリングキャットの調査員たちは、別途その情報を検証することはできなかったと伝えていることを指摘し、「それが単に発言でしかないのであれば、何とでも言うことのできるものである」のであり、そこに付け足すことはない、とコメントした。

加えて、同氏は、「ベラルーシでのワグナー傭兵の拘束は、全くもって理解できる力学の結果として生じたものだ。ベラルーシでは、選挙の直前に、防諜体制が著しく強化されていたのである。彼らが、誰かが国内に入るのを見つけ、それに対応することは避けようのないことであった。当時行われていたドンバス停戦協議に関しては、それは確かに、国家にとって極めて重要な課題であった。結果として、停戦は確立されることになった。しかし、それは個別のプロセスであり、情報機関、特殊機関の全てのプロセスにおいて別途調整したものである。確かに、アンドリー・イェルマーク氏(大統領府長官)は、停戦協議の責任者だった。しかし、イェルマーク氏は、情報機関の活動には責任がないし、さらに言えば、どのような作戦プロセスもコントロールしていない」と強調した。

これに先立ち、17日、国際調査グループ「ベリングキャット」が、2020年の露民間軍事会社「ワグナー(ヴァグネル)」の傭兵の拘束を目的としたウクライナ政権による特殊作戦とその失敗についての調査報告を公開していた。同報告書には、イェルマーク大統領府長官が、ウクライナ東部での停戦合意に関係して、その傭兵拘束の特殊作戦の実行を1週間遅らせることを提案したと書かれている。