ウクライナやEUはノルド・ストリーム2をEU法の例外対象とすることに反対=クレーバ宇外相

ウクライナのクレーバ外相は、同国や欧州委員会、欧州連合(EU)加盟国の一部は、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」もEU法の規制対象でなければならないと主張していると指摘した。

22日、政府ポータルサイトがクレーバ外相のテレビ出演時の発言を公開した

クレーバ外相は、「ウクライナは、EUの複数加盟国や欧州委員会は、『ノルド・ストリーム2』が第3エネルギーパッケージの精神だけでなく、その文言にも完全に従わなければならないと主張している。私たちは、ロシアがノルド・ストリーム2を『北の武器』に変えることができなくなるよう、作業している」と発言した。

外相は、ロシアがEUに対するハイブリッド戦争において仕掛けている圧力要因の一つは、ノルド・ストリーム2の認証問題だと指摘し、「ノルド・ストリーム2は、ずっと前に稼働していた可能性があったが、しかし、実際には現在も稼働していない。そのために私たちは闘っているし、それは私たちの共同の努力の結果である。私たちは、パートナー国とともに、そのプロジェクトの実現に対して大きくブレーキをかけており、ロシアとの対立のためのより良い条件のために、多くの時間を稼いできた」と発言した。

さらにクレーバ氏は、移民危機、ウクライナ国境沿いと被占領地におけるロシアの軍事的エスカレーション、ロシア発対EUの強化プロパガンダ、ノルマンディ・フォーマットとミンスク・プロセスを停滞させているロシアの行動につき、それらは一つのゲームの構成要素にすぎず、EUを妥協させるための圧力なのだと指摘した。同氏は、ウクライナは正にそのような考えをパートナー国に伝え、パートナーたちもその見方に同意していると発言した。

加えて同氏は、「私たちは、ロシア連邦の法律家やロビーストが、EU法の穴探しやノルド・ストリーム2のための特別条件作りに躍起になっているのを目にしている。しかしながら、私たちは、例外はあってはならないと主張している」と発言した。

同氏は、ウクライナはロシア発EU向けのガス輸送価格の値下げを提案したことを喚起しつつ、「ノルド・ストリーム2は、一度たりと経済プロジェクトであったことはない。それは、安全保障プロジェクトであり、ウクライナを迂回することを目的としている。つまり、ロシアの侵略を抑制している要因の一つを取り除くことが目的だ」と指摘した。

さらに同氏は、ウクライナのガス輸送システムは引き続き、ロシアからEUへの天然ガス輸送にとって最も安全で理想的な輸送手段であり続けると強調した。