クレーバ宇外相、独3党の連立協約を肯定的に評価
クレーバ外相は、ドイツにて政権樹立に合意した3党の連立協約を概して肯定的に評価した。同時に、独露間ガスパイプラインプロジェクト「ノルド・ストリーム2」についての原則的な立場が記述されていないことについては、抑制的に評価すると伝えた。
25日、クレーバ外相がオンライン記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
クレーバ外相は、「連立協約のウクライナとロシアについて書かれている部分を肯定的に評価する。ロシア連邦に関しては、非常に明確な表現となっている。エネルギープロジェクト、欧州にて実現されている地政学的エネルギープロジェクトについて書かれている部分は、抑制的に評価する」と発言した。
外相は具体的に、ウクライナはノルド・ストリーム2に関してより明確かつ原則的な立場を目にしたかったとし、そのためウクライナは引き続き同ガスパイプラインに関してドイツ側と作業をしていくと発言した。
その他外相は、ハイコー・マース現独外相とは非常に良いコンタクトと関係を築いていると指摘した上で、次期外相として名前の挙がっているベーアボック緑の党共同代表とは選挙前からコンタクトを取っているとした上で、「私は、彼女、あるいは他のドイツ外相と、対話、関係を喜んで継続する」と発言した。
またクレーバ外相は、ドイツの対ウクライナ政策に急激な変化や修正はないだろうと考えており、連立協約からもそれは確認できると指摘した。加えて外相は、「それ(連立協約)には、ドイツがウクライナの領土一体性を支持していくと書かれており、それは非常に重要である。私たちは、連立協約本文にウクライナの欧州統合願望、欧州願望への支持が記載されるよう、ドイツ側パートナーと非常にたくさんの仕事をしてきた」と発言した(編集注:連立協約には、EU加盟を望むウクライナ、モルドバ、ジョージアの改革支援を通じたEUへの更なる接近の確保についての記述がある)。
さらに外相は、ドイツからウクライナへの武器供与に関しては、ウクライナ外務省は本件について法的、政治的、倫理的な制限は一切ないと考えていると指摘し、「私たちは、新政府と本件についても話をしていく」と強調した。
これに先立ち、24日、ドイツの社民党、自由民主党、緑の党の3党は、連立政権を樹立することで合意した。発表された連立協定には、EU加盟を望むウクライナ、モルドバ、ジョージアの改革支援を通じたEUへの更なる接近の確保、ウクライナの領土一体性回復支援の継続、ウクライナとのエネルギー面のパートナーシップ深化、ウクライナ東部の不安定化、暴力、クリミア違法併合の停止要求、制裁とミンスク諸合意完全履行のリンク、といったウクライナに関する言及が複数ある。