ウクライナ、ポーランド、リトアニア3国首脳が会談 ロシア問題やウクライナのNATO加盟を協議
20日、ゼレンシキー・ウクライナ大統領、ナウセーダ・リトアニア大統領、ドゥダ・ポーランド大統領(ルブリン・トライアングル3国首脳)は、ウクライナ・イヴァノ=フランキウシク州フータ村で会談し、ロシアの対ウクライナ侵略問題やウクライナの北大西洋条約機構(NATO)・欧州連合(EU)加盟問題などを協議した。
会談後、3首脳が共同記者会見を行った。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー大統領は、現在ウクライナの被占領地や国境沿いに軍を集結させているロシア連邦について、「ロシア大統領がどうやったら後退するか、その前提条件は、正直なところ、私には見えていない。そのため、私は、どのような地域でもエスカレーションという考えを思いつけなくするために、反対に、強力な予防的行動として、非常に真剣な制裁が必要なのだと思っている。なぜなら、私たちは、その問題はすでにウクライナだけでなく、欧州連合(EU)の全ての加盟国に関係していることを目にしているからだ」と発言した。
ドゥダ・ポーランド大統領は、ロシアに対して妥協は一切するべきでないとの見方を示した。ドゥダ大統領は、「私たち、ルブリン・トライアングルの本件に関する立場は、ウクライナの安全保障は根本的な問題である、というものだ。私たちは、ウクライナに対する軍事的侵攻を認めてはならないばかりでなく、私たちはそのような攻撃を防ぐためにあらゆることを行うべきである」と発言した。
ドゥダ大統領はまた、ロシアに対するあらゆる政治的な妥協に反対するとし、「民主的国家はいかなる国であれ、そのような物事を受け入れてはならない。誰が妥協すべきかという話なら、ロシアが後退すべきであることは自明である」と強調した。
さらにドゥダ氏は、ロシアの占領を経験していたり、ロシア・ソ連の影響圏に入っていたことにより、ロシアの帝国主義的政策の本質を理解している者であれば、誰であれこのような状況は受け入れないと指摘し、「私たちは、欧州の私たちのところにそのようなことが戻ってくるという状況は想像できない。だからこそ、私たちは連帯を表明しているのだ」と強調した。
ナウセーダ・リトアニア大統領は、ロシアとベラルーシによる軍事統合は地域の安全保障情勢を変えており、NATOとして対応しなければならないものだと指摘した。
加えてナウセーダ氏は、ウクライナ国境沿いの10万のロシア軍の集結や、サイバー攻撃やプロパガンダの活発化については、「地域のバランスが変化していることを意味している」と述べ、「別の側からの対応が必要だ。それは、NATOやEUに関わることである」と発言した。
ナウセーダ氏は、「私たちは、それがどれほど相互に関係しているかを目にしており、私たちは、ポーランド、ウクライナ、あるいはリトアニアの状況を個別に議論するのではなく、地域の安全保障として議論している。それは、地域レベルの広範な対応を要するものだ」と強調した。
さらにナウセーダ氏は、ロシア連邦による欧州にて新たな「レッドライン」を引こうとする試みは全て、同国にとって深刻な結果をもたらすことになると指摘し、「私たちは、ロシアにとっての被害は非常に重いものとなる、という非常にシンプルかつ明確なシグナルを出している。21世紀の欧州において、新たなレッドラインを引く試みは、いかなるものも受け入れられない」と発言した。
加えて、ナウセーダ氏は、同日、ウクライナ、ポーランド、リトアニア3国の首脳が「ウクライナ自身と同国のEUとNATOへの加盟への支持をもう一度表明した」と伝えた。
ゼレンシキー大統領は、同日3国首脳が共同宣言を採択したと伝え、「共同宣言はウクライナのEUとNATOの加盟、ロシアの侵略との戦いへの支持を明確に確認するものだ」と指摘した。
また、ゼレンシキー大統領は、ルブリン・トライアングル3国は同日、ウクライナの欧州・欧州大西洋統合をサポートする2022年の行動を調整したと伝えた。