ベーアボック独外相、ウクライナとロシアへの訪問目的に言及
17日にウクライナを、18日にロシアを訪問するドイツのベーアボック外相は、同訪問前に、欧州は安全保障のための合意・行動を模索する準備はあるが、安全保障の基本原則について妥協するつもりはないと発言した。
ベーアボック独外相がキーウ(キエフ)訪問前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ベーアボック外相は、「私たちは、ロシアを含む欧州の皆により大きな安全をもたらす相互合意と行動に関する真剣な対話を行う準備はある。しかし、私たちは、欧州をそれ以前の50年間の大戦争の悪夢から救ったヘルシンキ最終議定書の基本原則について妥協することはできないし、するつもりもない。その原則には、領土の不可侵、同盟者の自由な選択、政治的手段としての暴力による脅迫の拒絶が含まれる。そして、ロシアが代わりにエスカレーションの道を選ぶのであれば、私たちは、対応するための決断力で満ちている」と発言した。
同氏はまた、外交チャンネルを通じた解決策を模索し、ノルマンディ・プロセスをもう一度生き返らせ、ミンスク諸合意履行で進展を達成する準備があるのかどうか、現場にて明らかにしたいと思っていると発言した。
ベーアボック氏は、キーウ訪問時は、欧州、ドイツがウクライナの頭越しにウクライナについて協議を行うことはないことを伝えるつもりだと述べた。さらに同氏は、ドイツ新政府は自らの義務を履行し続けるとも発言した。同時に同氏は、ドイツ・ウクライナ外交関係樹立30周年は「(関係)刷新のための良い機会」だとコメントし、「私にとって、それ(関係刷新)は何よりもウクライナの潜在力の強化だ」と強調した。同氏は、キーウにて、ウクライナのエネルギー分野の近代化やグリーン水素市場の発展のイニシアティブ、サイバーセキュリティ面でのサポートの提案について協議をする予定だと伝えた。
加えて同氏は、翌日のモスクワ訪問については、何よりも「ロシアとの間でしっかりとして安定した関係」を望んでいるというドイツ新政府の立場を示すことが課題だと発言した。しかし、同氏は、ロシアとの間の「対立的問題」のリストは長いとも指摘し、多くの分野の両国関係の可能性には、それら問題が「暗い影」を落としていると発言した。
ベーアボック氏は、外交について、たとえ相手側に全く異なる考えがあるとしても、相手側の見方を理解することが絶対条件であると述べ、モスクワでもキーウでも、相手の話を注意深く聞くとしつつ、同時に、欧州連合(EU)、G7、北大西洋条約機構(NATO)の共通の立場も明確に伝えると発言した。
写真:dpa