ゼレンシキー宇大統領、ベーアボック独外相と会談 露の侵攻脅威とノルド・ストリーム2につき協議

写真

ウクライナのゼレンシキー大統領は17日、キーウ(キエフ)を訪問したベーアボック独外相と会談し、ウクライナ周辺の治安情勢などにつき協議を行った。

ウクライナ大統領府広報室が伝えた

発表によれば、ゼレンシキー大統領は会談冒頭、ウクライナ国境周辺の緊迫した状況に鑑み、今回のベーアボック氏の訪問の重要性を強調した。

両者は、ウクライナ周辺の治安情勢、和平プロセスの状況を具体的に協議した他、更なる侵略エスカレーションを防ぎ得るのは、予防的制裁を含めた制限措置だと強調した。また、双方は、ミンスク諸合意履行の「クラスター・アプローチ」をはじめとする、平和的情勢解決プロセスへのアプローチの一致を指摘した上で、近々ノルマンディ・フォーマット次期首脳会談の組織に移行できることへの期待を表明した。

ゼレンシキー大統領は、「ウクライナの平和達成なくして、欧州の安全保障はあり得ない」と発言した。

両者は、ウクライナのエネルギー安全保障強化問題に大きな注意を向けた。ゼレンシキー大統領は、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」は地政学的プロジェクトであり、ウクライナと欧州全体に向けられた武器であると強調した。両者は、同プロジェクトが武器として使われた場合には、厳格な対策が採られることを確認した。

また両者は、グリーンエネルギー移行と再生可能エネルギーに関するものをはじめとする、両国のエネルギー分野の連携構築へのアプローチの一致を指摘した。さらに、キーウにてウクライナ・ドイツ間の水素エネルギー・プロジェクトを実現するための事務所をドイツが開設することを促進することが、両国共同の優先課題であることが確認された。

さらに協議では、ウクライナのエネルギー安全保障強化、特に、ウクライナ領を経由する長期的な天然ガス輸送の保証に関する、両国共同の具体的行動の必要性が強調された。

その他、ウクライナの欧州・欧州安全保障統合問題の議論に注意が向けられた。協議では、ウクライナの欧州展望の確認の重要性と、本件に関するドイツからのサポートへの期待が(編集注:ウクライナ側により)表明された。

会談時、双方は、ベーアボック氏のウクライナ訪問が両国間外交関係樹立30周年に実現されたことの象徴性を指摘した。

ゼレンシキー大統領は、インスタグラム・アカウントにて、ベーアボック外相に対して、ウクライナとの完全な連帯につき謝意を伝えた。

また、ベーアボック独外相は、ツイッター・アカウントにて、「この困難な状況下、私たちは、ウクライナ抜きにウクライナについて話さない」と書き込んでいる

なお、17日、ベーアボック独外相はキーウを訪問した。同外相は、18日にはモスクワを訪問する。