独外相、SWIFTからのロシア遮断の効果に疑問を表明

ドイツのベーアボック外相は、ロシアがウクライナへの更なる侵攻に踏み切った場合の対応策の一つして、「国際銀行間通信協会」(SWIFT・本部ベルギー)システムからロシアを遮断する案の効果に疑問を表明した。

21日、独DWが報じた

ベーアボック氏は、SWIFT遮断は、ロシアがウクライナに更に侵攻した場合の「最も強力な」決定とはなるかもしれないが、それが「最も効果的な」ものとなるとは限らないとの見方を示した。同氏はまた、西側諸国は、ロシアに対してどのような経済・金融制裁が、自分たちに「ブーメランとなって」返ってくるような案ではなく、本当にロシアの経済や首脳陣にダメージを与えるものであるか、ということをていねいに分析していると伝えた。

同時に同氏は、「首相と私は、更なる軍事エスカレーションが生じた場合のどのような手段、どのような方策も議論されていることを明確にした。それは、(編集注:独露間新)天然ガスパイプライン『ノルド・ストリーム2』にも関係する」と発言した。

これに先立ち、独Handelsblatt紙がドイツ政府関係者の発言として、欧州ではロシアを情勢緩和に向かわせるための手段としてのSWIFTからの同国遮断の可能性はすでに検討されていないと報じていた。これに対して、米国家安全保障会議(NSC)は、「あらゆる案が検討から排除されていない。私たちは、ロシアがウクライナに侵攻した場合の同国への厳しい結果につき、欧州の同僚たちと非常に緊密な協議を継続している」として、報道内容を否定していた

写真:DPA