米国、ウクライナ駐在外交官家族の国外退避を指示 EUは検討せず

米国務省は24日、在ウクライナ米大使館の外交官の自発的国外退避への許可を出し、また外交官家族は退避を指示した。

在ウクライナ米大使館広報室が公表した

発表には、米国政府職員へは自発的退避を許可し、職員家族には退避指示を出したと書かれている。

また、「国務省は、ロシアによる国の不安定化とウクライナ国民やその他ウクライナを渡航するあるいはウクライナに居住する人物の安全弱体化を目的とする恒常的努力による特別な懸念から退避許可の決定を採択した。私たちは、ウクライナ政府とこのステップについて協議をしてきており、キーウ(キエフ)の同盟国・パートナー国と行動を調整している。彼らは自分の立場を決めているところである」と書かれている。

さらに、国務省は、ウクライナ渡航に関しての危険については、「ウクライナに対するロシアの著しい軍事行動の脅威強化から、渡航をしないように」と勧告した。なお危険レベルは、これ以前からCOVID-19により現在のレベル4であった。

また、ウクライナ外務省は、今回の米国の決定につき「時期尚早」との見方を示した。

ニコレンコ・ウクライナ外務報道官は、ウクルインフォルムへのコメントにて、「外国の自国外交代表部の安全確保の権利を尊重しつつも、私たちは、そのような米国の行動は、時期尚早であり、過度の懸念の現れだとみなしている。最近治安情勢に実質的な大きな変化は生じていない。新たなロシア侵略の波の脅威は、2014年以降持続している。ロシア軍の国境付近の集結は、昨年4月に始まったものだ」と発言した。

同氏はまた、「ロシア連邦は現在、ウクライナ国内情勢の不安定化のために積極的に努力している。ウクライナと世界のメディア空間には、多くの偽情報、印象操作、フェイクが拡散されている。これは、ウクライナ国民、外国籍者の間にパニックを撒き散らし、ビジネスを脅かし、ウクライナの経済的、金融的安定性を弱体化させるためだ。この状況で重要なことは、リスクを落ち着いて評価し、平穏を維持することだ」と強調した。

同日、ボレル欧州連合(EU)上級代表は、EUはウクライナからの外交官とその家族の退避を組織するつもりはないと発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ボレル氏は、「ブリンケン国務長官が私たちに、そのような決定の理由を説明する。私たちは、同様のことを行うつもりはない。なぜなら、そのための特別な理由は何も知らないからだ。しかし、ブリンケン長官が私たちに報告する。また、私は、協議が続いているのであり、演劇のように振る舞う必要はないと思っている。私は、私たちがウクライナを去らなければならないとは思っていない。しかし、もしかしたら、ブリンケン氏はより多くの情報を持っており、私たちと共有するかもしれない」と発言した。