独仏宇露4国首脳補佐官級会談会談「革命的なことは起きないだろう」=ドンバス出身記者
1月26日、パリにてロシア・ウクライナ紛争解決協議を行う、ドイツ、フランス、ウクライナ、ロシアの4国からなる「ノルマンディ・フォーマット」の首脳補佐官級会合が開催される。東部ドネツィク州出身の記者であり、ロシア・ウクライナ紛争解決協議を行う「三者コンタクト・グループ(TCG)」にてウクライナ代表団に加わるセルヒー・ハルマシュ氏は、同会合は革命的結果はもたらさないだろうとの見方を示した。
25日、ハルマシュ氏がハルマシュ氏がウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」出演時に発言した。
ハルマシュ氏は、ロシアは今回ドイツとフランスが要請したから、パリでの会合開催に同意したのだろうとし、ロシアは協議開催を妨害してきたが、もともとはノルマンディ・フォーマットの存在はロシアにとって有利なものだとの見方を示した。
同氏は、「革命的なことは何も起きないだろう。私は、明日の会合から何らかの真剣な行動や決定は期待していない。私は、その会合はロシア側により外交的なものとなると思っている。さらに、ロシアは、プーチン氏個人が繰り返し否定的なトーンでコメントしていた法案の取り下げを実現している(編集注:25日、ウクライナ政府は、ロシアが批判していた政府法案『移行期間の国政の基本』を、修正を理由に最高会議の登録から取り下げていた)」と発言した。
ハルマシュ氏はまた、首脳補佐官級会合が首脳会談準備プロセスへの道を開くとは思っていないとし、「私は、そのような会談(首脳会談)の可能性を信じていない。なぜなら、首脳会談はプーチンにとって得ではないからだ。(編集注:首脳会談が開かれるとしたら)彼が自分にとって何らかの肯定的な決定が得られるとの保証を得た場合だけだ。しかし、それは、ウクライナが何かで譲歩しなければならないということである。というのも、私は今のところロシアとウクライナの利益の一致は目にしていないからだ。特にミンスク・プロセス(編集注:ミンスク諸合意履行プロセス)においてそう言える」とコメントした。
同氏は、主な問題は、ミンスク諸合意に各項目の履行順序が記されていないことにあるのではないとし、「(問題は)その順番について議論をすることができる紛争の相手が不在だからだ。というのも、ロシアは、自らを紛争の当事者だと認めていない。政治意志があれば、文言は実際のところそれほど重要ではない。私たちは現在、ドンバスにてエスカレーションを目にしている。それは、停戦対応メカニズムがないことをもって説明されている。CADLR(ドネツィク・ルハンシク両州一部地域)(編集注:ロシア武装集団支配地域のTCGでの通称) は常に彼らとの直接協議、共同監査の形のメカニズムを提案してくる。しかし、私たちは、2020年7月に停戦に関して合意できている。それは約半年間機能した。彼らが主張しているそのようなメカニズムがなくても停戦は機能したのだ。しかし、その時は、ロシアに政治意志があったのであり、ロシアがそのような停戦に関心を抱いていたのである」と指摘した。
同氏は、現在もロシアに政治意志があれば「情勢緩和は起きているだろうが、しかし、多分、その政治意志がないのだ」と述べ、「そのため、合意の文言には、実際のところ意味はない」と強調した。