プーチン露大統領、米国とNATOによる安全保障問題の回答への不満表明
ロシア連邦のプーチン大統領は1日、米国と北大西洋条約機構(NATO)はロシアの提案した安全保障要求に対する書面回答にて、ロシアの懸念を無視したなどと発言した。
プーチン露大統領がオルバーン・ハンガリー首相との会談後記者会見時に発言した。露インターファクス通信が報じた。
プーチン氏は、「私たちは、NATO不拡大、ロシア国境付近への攻撃的兵器システム不設置、欧州における軍事インフラのロシア・NATO基本文書署名時点の1997年の状態への回帰、という私たちの3つの重要要求の適切な考慮を目にしていない」と発言した。
同氏は、米国にとってウクライナの安全保障問題は主要な課題ではなないとし、「彼らの主な課題は、ロシアの発展の抑止であり、その意味でウクライナはその目的を達成するための道具だ」などと発言した。さらに同氏は、その目的にて、米国はロシアを「何らかの武力紛争に引き込み、欧州の同盟国の助けを借りて、私たちに対して厳しい制裁を発動させようとしている」と主張した。
同氏はさらに、クリミアに関して、「ウクライナの教義文書には、彼らが、軍事手段も含めて、クリミアを取り戻すことが書かれている。(中略)ウクライナがNATO加盟国となり、武器を詰め込まれ、ポーランドやルーマニアのように最新の攻撃システムが並べられ、クリミアにて作戦を開始することを想像してみよう。今はドンバスの話をしているのではない。NATO加盟国となったウクライナが軍事作戦を開始するのを想像してみようではないか。私たちは、NATOと戦うというのか?」と発言した。
なお、1日、プーチン露大統領は、モスクワを訪問したオルバーン・ハンガリー首相と5時間にわたる会談を行っていた。