ウクライナ安保会議、親露テレビ局「私たちの」に5年間の制裁発動

ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)は11日、親露テレビ局「私たちの」を含む複数企業に対して制裁を発動した。

ダニーロウNSDC書記がハルキウで開催されたNSDC会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ダニーロウ氏は、「イヴァン・バカーノウ氏(保安庁(SBU)長官)が、対個人経済・その他制限措置発動に関する報告を行った。複数の問題が審議された。そして、それら全ての問題が採択された」とし、制裁対象となるのは、建設会社「リベルトン・スタルト」社、ヴィトリナTV社(モスクワ)、「私たちのプラハ」局、「私たちの24」局、「私たちの365」局と、キプロスに位置するそれら「私たちの」系テレビ局の親企業だと説明した。

「私たちの」局の記者から、同局への制裁発動の理由が問われると、ダニーロウ氏は、「あなた方の親会社は、キプロスに位置している。あなたが知っているかどうかは知らないが、あなた方は部分的にキプロス人なのだ。(中略)その親起業に対して、今日の制裁が発動された。SBUの報告を根拠に制裁が発動された」と発言し、制裁期間は5年間だと伝えた。

これに先立ち、2021年9月、国家テレビ・ラジオ評議会は、キーウ市区行政裁判所に対して、「私たちの」局の放送ライセンスの無効化を求める提訴を行っていた。本年1月17日、「私たちの局」への制裁発動を求めた、大統領に対する電子請願が、審議の義務対象となる2万5000票に達していた。同請願の執筆者は、「私たちの」局は、恒常的に反国家的内容の情報や侵略国(ロシア連邦)の利益に従ったプロパガンダを流していると訴えていた。

なお、ダニーロウNSDC書記は以前、関連当局が「私たちの」局への制裁発動申請をした場合には検討されるが、同時点ではそのような申請は行われていないと述べていた。

「私たちの」局は、イェウヘーニー・ムラーイェウ元ウクライナ最高会議議員が所有するテレビ局。英外務省は1月22日、ロシア政権がウクライナにおいて親露政治家として知られるムラーイェウ氏を国家のトップに据える計画を有していると発表していた