ウクライナ政権高官、東部被占領地への進攻計画がないことを強調
18日、ウクライナ政権高官は、ウクライナ側がウクライナ東部の被占領地の解放のために、同地へ進攻する計画は一切ないと改めて発表した。
ダニーロウ・ウクライナ国家安全保障国防会議(NSDC)書記は、記者会見時に、一時的被占領地の武力による解放命令は一切ないと伝えた。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ダニーロウ氏は、「今日、ドネツィク・ルハンシク両州から市民を退避させるという発表を二人の人物(編集注:武装集団首長)が行った。彼らは、あたかも私たち(ウクライナ)の軍人が、私たちの領土解放のためにドネツィク・ルハンシクへ攻撃しようとしているというのだ。それは全て事実に反している。自国領を武力手段で解放するという命令はない。そのような命令は一切ない」と強調した。
ウクライナ軍のザルジュニー総司令官は、同日公開されたビデオメッセージの中で、「ロシア連邦が支援する戦闘員たちは、一時的被占領地の住民を騙しながら、状況を激化させ続けている。占領政権首長による、あたかもウクライナ軍が進攻するとか、一時的被占領地解放の武力シナリオに関する発言は、事実に反する」と強調した。また、同氏は、それは、欧州安全保障協力機構(OSCE)代表者も確認しているとも発言した。
同氏はまた、ウクライナ政権の軍・政治の幹部は、ウクライナ東部にて進攻作戦を計画もしていないし、実行もしていない、人々と領土の脱占領のための受け入れられる唯一の案は、政治・外交的手段だと改めて強調した。さらに同氏は、進攻は、必ず民間人に多くの犠牲者を出すためであり、そのようなシナリオは検討すらされていないと伝えた。
ザルジュニー氏は、「一時的被占領地の住民に呼びかける。占領政権の嘘を信じないで欲しい! あなたたちは、さらなる流血開始を目的とする状況激化のために利用されているのだ」と強調した。
同氏は、過去数日、武装集団が多くの停戦違反を行った時でさえ、ウクライナ軍は、軍人や民間人に脅威が生じた場合のみ反撃をしてきたのだとし、「私たちは、挑発には乗らない。私たちは、武装集団が冷笑的に自らの地点としている民間人居住区は攻撃していない」と発言した。
ウクライナ外務省広報室もまた、ウクライナ政権が一時的占領地に対して進軍作戦を開始する意向があるとする首長は、事実に反するとする声明を発出した。
外務省声明には、「ウクライナ国民は、コンタクト・ラインの両側に暮らしている。彼らの平和、安全、福祉が、ウクライナ国家にとっての絶対的優先課題だ。ウクライナ政権にあたかもドネツィク・ルハンシク両州一時的被占領地に対して進攻作戦を始める意向があるとする主張は、事実に反する」と書かれている。
外務省は、「ウクライナはまた、ドンバスにて一切の工作活動を行っていないし、計画していない」と強調した。
さらに外務省は、「私たちは、情勢の政治・外交的解決に揺らがずコミットし続けており、緊張緩和と状況を外交対話に乗せるために、パートナーたちとともに最大限の努力をしている」と伝えた。
同時に外務省は、「他方で、私たちは、ロシア連邦が、大規模な偽情報拡散キャンペーンを展開しており、ウクライナ側配置地点や民間インフラに対して、ミンスク諸合意が禁止する兵器による砲撃を増加させ、治安情勢を激化しているのを観察している」と伝えた。
外務省は、国際社会に対して、ロシアとウクライナ東部のロシア占領政権の挑発行為を速やかに非難するよう呼びかけつつ、「然るべき対応を対応を取らない、あるいは、中立的な立場を取ることは、ロシアによる情勢激化を強めるだけである」と指摘した。
これに先立ち、ウクライナ東部被占領地の武装集団「DPR/LPR」の首長たちが、「ウクライナ軍に進攻する計画がある」などと主張して、被占領地住民をロシアのロストフ州へ避難させると発表していた。