マクロン仏大統領、プーチン露大統領と電話会談 「ウクライナの提案」に基づく協議で合意

マクロン仏大統領は20日、プーチン露大統領と電話会談を行い、現在のロシア・ウクライナ危機の外交的解決を目指すことで合意した。

仏大統領府広報室が公表した

発表には、マクロン仏大統領とプーチン露大統領が合意したのは以下の内容だと書かれている。

・協議とウクライナが過去数日行った提案に基づいて、ノルマンディ・フォーマット(編集注:独仏宇露4国協議フォーマット)の枠内での作業再開。

・衝突ラインでの停戦に関する義務を全ての関係者から受け取ることを目的に三者コンタクト・グループ(TCG)(編集注:ロシア、ウクライナ、OSCE3者協議フォーマット)会合を今後数時間で開催するための集中的な作業。

・現在の危機の外交的解決を促すことの必要性。そのためには、今後数日・数週間で集中的な外交的活動が行われる。ルドリアン仏外相が数日中にラヴロフ露外相と会う他、同じ目的で、パリにて複数の協議を行う。

・その外交活動は、欧州の平和と安全の新しい秩序を定めるべく、条件を守りながら首脳レベルでの会合達成に向け、全ての関係者(欧州、同盟、ロシア、ウクライナ)の関与の下で、最近の協議に基づいて、前進を可能にするものでなければならない。

・深刻な条件下でその活動を実施するために、両首脳は、エスカレーション回避、リスク低減、平和維持のために役立つ全ての行動を行う堅固な義務を負った。

これに先立ち、19日、ゼレンシキー宇大統領とマクロン仏大統領は、緊急電話会談を行い、ウクライナ東部ドンバス情勢の激化につき協議を行っていた

また、同日、G7外相は、現在のロシア・ウクライナ情勢について協議した上で、G7外相声明を発出していた。その際、外相たちは、ウクライナのミンスク諸合意へのコミットメントと履行プロセスへの建設的な貢献への意欲を示すゼレンシキー大統領の発言に触れつつ、「ウクライナ側の呼びかけは、ロシアの交渉官及びロシア連邦政府の真剣な検討に値するもの」だとし、ロシアに対して、ウクライナが提案している外交的道筋のための機会を掴むよう要求していた。

その他、15日、ショルツ独首相はモスクワでのプーチン露大統領との会談後、ウクライナによるミンスク諸合意の政治項目を進める行動は紛争の平和的集結を近づけ得るものだと発言していた。さらに同氏は、「皆がミンスク諸合意を遵守しなければならない」とし、それはウクライナ政府にも、ロシア政府にも、ドイツにもフランスにも関わることだと指摘した。そして、それは政治的プロセスも含むものであるとし、だからこそ、特別地位、(地方)選挙実施、シュタインマイヤー・フォーミュラ履行、憲法基盤に関する三大問題解決の可能性に関する協議実施のために不可欠な法案全ての提示が非常に重要なのだと強調した。同氏は、それら全てが、TCGにて、ウクライナとロシアとOSCEと「その他の関与する者たち」との間で協議されねばならないと発言していた。